久しぶりに帰ったヨコハマは変わってなかった２【文スト】

40話 ページ9

太宰side
彼女が居そうな場所を探し回った…

残す候補地はあと2つ

カランコロン

｢マスター今日ここに叶恵が来なかった？｣

BAR Lupin

｢いらっしゃいましたよ｣

ビンゴ

｢彼女は今日何を呑んだか教えてくれるかい｣

｢本日野上様はブラッドハウンドとジプシーをお飲みになられました｣

っ！まさかまた私の前から消えるつもりなのか!?

ブラッドハウンドとジプシーのカクテル言葉は"探さないで"と"しばしの別れ"

でも彼女のことだ、今回のことに責任を感じて最悪の場合…

4年前の彼女ならなんてこと無かっただろうに

何が君をそんなに変えたんだい

元から仲間意識の高い彼女だが仲間を傷つけたくらいではここまで追い込まれていなかった…

そんなことはどうでもいい！一刻も早く彼女の元へ行かなければ

｢太宰様、野上様よりメモを預かっております｣

｢メモ？｣

っ！これ…は

____今宵あの地より彼岸の地へ向かう
野上

｢ありがとうマスター。今度は彼女と一緒に来るよ｣

そして私はある場所へ駆け出した




ある場所とは




____それは遡ること数年前

｢なぁ太宰｣

｢…｣

｢おい太宰｣

｢あれ？なんか幻聴が聞こえるな〜｣

｢聞こえてんだろ！｣

｢なんだ…蛞蝓か｣

｢俺は蛞蝓じゃねぇ！そんなことより叶恵見てねぇか？｣

｢叶恵？｣

そういえば今日は任務だと言っていたような…

｢任務から帰ってきてるはずなのにどこにもいねぇんだよ｣

叶恵が行方不明？でも一体どこに？

幸運なことにこの後は任務もない

中也も一緒に探すらしい




そしてそれから数時間後中也から連絡があった

どうやら町外れの高台に位置する公園にいたらしい

私は急いで彼女の元へ急いだ




彼女を一人にしてはいけない




なぜその様に思っていたのかあのころの私は分からなかったが今ならわかる

いつ自覚したかは今は置いておこう

そのあと無事に叶恵と合流した

しかし先に来ていたであろう蛞蝓の姿が見えない
まぁいないなら別にいいか
『あぁ、太宰も来たの』

｢まぁね…それにしてもここの景色が綺麗だ｣

『ここは私が見つけたの。前から何かあったらこの景色を見て気持ちを落ち着かせるの』

確かにこの景色を見ていると心が落ち着く

『…何時までいるつもり』

｢うーん…叶恵が戻るまで｣

『そう…じゃあ私はもう戻るわ』

｢そうか。じゃあ僕も帰るよ｣



そして現在____

早く彼女の元へ行かなければ…
二度と会えなくなる

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