久しぶりに帰ったヨコハマは変わってなかった２【文スト】

54話 ページ26

ＮＯside 続き
〈この世界は不完全だ。嘆いても祈っても偶然で、人は死に、悪は裁かれず、地上にのさばる〉

｢元官僚だった蒼き王は、ある時声明と共に、政府施設を爆破。標的は検察のミスで不起訴になった殺人犯や国際的な性状色を行った議員など、いずれも法で裁けない凶悪犯ばかりです｣

〈ならば希求しよう。理想の世界を。神の御手ではなく、血塗られた我らの手によって…〉

国木田はそれを黙って聞いていた

｢でも、蒼き王が生きてるとしたらどうして探偵社にこんな攻撃をするんです？｣

そして遠慮がちにそこまでは…と答える佐々城

｢まぁ、かつて蒼き王を追い詰めたのはかつてアジトを突き止めた国木田君だ…そうか、恨まれているのは国木田君か｣

｢あのテロリストの死亡は軍警が現場解析をして出した結論だ、間違いない｣

｢いづれにしても、相手の正体がわかるまでは警戒した方がいいね。佐々城さんも安全なところにかくまわないと｣

｢それは許さんぞ太宰｣

｢なんの事？｣

｢護身安全のためと言いくるめ、ご婦人を自分の部屋に囲い、連日連夜に及んであんなことやこんなことやそんなことまで！恥を知れ！恥を！｣

｢君が想像しているようなことは何も無いけど？｣

｢だから初日に泊めた時も隣室で休んだし、当然指1本触れてない。国木田君が勘違いしてたのは知ってたし、面白いから放置してた｣

｢ﾋﾟｷﾝ｣

｢それに、泊める日は叶恵も家に呼んだし、なんなら佐々城さんと同じ部屋にいたのは叶恵だよ？今確かめようか？｣

そして太宰は電話をかけた

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