09. 今はそれでも良いと思う。 ページ9
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「やっべ。もう夜中じゃん」
伏黒の単独任務の帰り、自身の愛車に乗り込んだAは伏黒が助手席に乗るのを確認してそうぼやいた。
「普通に考えておかしいよね。よく寝てよく食べなきゃいけない青春真っ盛りの学生が、こんな夜まで任務しなきゃいけないってさ」
「まぁ‥‥慣れてるんで」
「いや、慣れとかの問題じゃないよ。これって上層部に訴えるべき問題だと思う。学生に愛やら使命やら背負わせすぎ」
「特に背負って無いですけどね」
隣に座る伏黒に視線を合わせて、心底すまなさそうに「だからごめんねぇ」と謝る彼女に「何でAさんが謝るんですか」と返す。
別にアンタが悪いわけじゃないのに。この人はいつもそうだ。と伏黒は思う。
窓の景色が車のスピードに合わせて移ろってゆく。その景色から視線を外し、こっそり「夜の運転って怖いよね。事故りそう」と笑えないような冗談を言うAの横顔を見つめた。
‥‥‥綺麗な人だな。
「‥‥ん?私の顔になんかついてる?」
「っ別に。Aさん前見て下さい、事故りますよ」
「えっさっきの冗談だよ冗談。え、まじで、ほんとだって」
「補助監督、何年務めてると思ってんだ」とけらけら笑うAに、マジでこの人何にも分かってねぇなと少し苛つく伏黒。
‥‥ま、Aさんだし。仕方ねぇか。
「ね、最近どう?」
「最近、って」
「ほら、虎杖くんたち来たっしょ。楽しいかなって」
「‥‥まぁ、騒がしくはなりました」
「あっはは揺るがないねぇ」
きっと、Aさんなりに俺のことを案じてくれているんだろう。それは嬉しくもある。けど、まだ彼女の中では俺はただの小学生のガキなんだろうなって思うと、やるせなくなる。
‥‥そう思うのも俺がまだガキなせいだろうか。
「Aさん」
「うん?」
「‥‥‥‥‥五条さんから伝言頼まれてたの忘れてました。僕も飲み会行くからな、お前覚えとけよ、とのことです」
「げっっ。何であいつ知ってんだよ五条抜きで飲み会しようと思ってたのに」
「飲み会の会場変えたらどうですか?五条さんに伝わってるかも」
「そうかも。うんそうしよう」
取り敢えず誰か突っ込んで。
10. それはなんとなくの予感。→←08. 喜んで貰えたから、OK?
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アサキ - すごい面白かったです!!コサックダンスしてください! (11月13日 16時) (レス) id: 48b370e610 (このIDを非表示/違反報告)
Yona - 面白かったです!いい作品をありがとうございます! (2022年7月14日 21時) (レス) @page47 id: ca15e254da (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタさん» 初めまして!ご丁寧に、そして素敵すぎるご提案ありがとうございます!宜しいんですか...!?あらすじまで😭嬉しいです、是非お願い致します‥‥!この作品をそんな風に思って頂けて幸せですっ。書かれたら読みに行きますね✨本当にありがとうございます‥‥! (2022年4月6日 20時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 続きです。嫌なら断って良いです。ですが、私からのざっくりとしたあらすじは書かせてもらいます。それで良いのなら、okを出してください。あ、勿論悪いことは書きません。嫌だな、と思った箇所は教えてください。すぐに消すか直します。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - コメント失礼します。ほしふる。様のこの作品を、私の方で宣伝させてもらえませんか?私はこの作品に出会った時に、もっといろんな人に見てほしいと思い、宣伝したいと思いました。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしふる。 | 作成日時:2022年3月5日 18時