34. 今日は一人の夜じゃない。 ページ34
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「‥‥は?え、なんっ‥‥で、いんの‥‥?鍵は‥‥??」
「ピッキングした。てかお前、マジで引っ越しな?このアパートのセキュリティ甘過ぎ、鍵の型も一番簡単なやつだし」
「こちとらピッキングしてくる奴なんか予想外なんだよ知るかよ」
そもそもいとも簡単に人の自宅に不法侵入してくる同期って怖すぎ。
五条は、ふとAの顔を伺うように覗き込む。彼女はふいと顔を逸らした。‥‥泣いてるの、バレた。
「帰ってよ」
「大事な奴が泣いてんのにこのままスルーしろと?」
「‥‥」
「で、何で泣いてんの」
‥‥口が、滑る。
「‥‥自分が、嫌になる」
「どーして?」
「何にも出来ない」
「Aはいつも僕らの為に頑張ってくれてるでしょ。何にも出来てないわけない。僕は、君のおかげで、今ここに居るようなもんだよ」
「‥‥五条に、酷いこと、言った」
「はは。そういうとこはかわいーねお前。あれくらいいつも言ってんじゃん僕に。今更何を〜って感じ」
「それはそれでムカつく」
「え?」
何で、全部肯定してくれるんだ、こいつは。と彼女は思う。
Aが乱暴に目元を擦ろうとすると、「ハイハイ擦らない」と五条にその腕を掴まれ阻止される。
「‥‥ここに来た理由は、お前のことが心配だったのと、あと‥‥謝りたかったから」
「何を」
「ごめん。僕、Aが一番傷付くようなこと、選んで言った。酷いこと言ったのは僕の方だ。Aは、何にも悪くないよ」
‥‥違う。五条は、きっと、私を帰らせる為にわざとあんなこと言ったんだ。それなのに、何で、それを言わないの。
「‥‥ほんとばか」
「え、何で」
「五条のそういうとこ嫌い」
「ひっっど。僕はAのことこんなに好きなのに」
なんかムカつくから、言ってあげない。Aの口元に、ちょっとだけ笑みが浮かぶ。
「それよりお腹空いた」
「だろーと思ってピザの宅配頼んどいた。どーせ冷蔵庫の中身もまともなの入ってないんだろ」
「まぁね。それより五条の奢りだよね、それ」
「はいはい。私めが奢らせて頂きます」
「謹んでお受け致します」
「おい」
「えへへ」
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アサキ - すごい面白かったです!!コサックダンスしてください! (11月13日 16時) (レス) id: 48b370e610 (このIDを非表示/違反報告)
Yona - 面白かったです!いい作品をありがとうございます! (2022年7月14日 21時) (レス) @page47 id: ca15e254da (このIDを非表示/違反報告)
ほしふる。(プロフ) - ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタさん» 初めまして!ご丁寧に、そして素敵すぎるご提案ありがとうございます!宜しいんですか...!?あらすじまで😭嬉しいです、是非お願い致します‥‥!この作品をそんな風に思って頂けて幸せですっ。書かれたら読みに行きますね✨本当にありがとうございます‥‥! (2022年4月6日 20時) (レス) id: c44e5c04c6 (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - 続きです。嫌なら断って良いです。ですが、私からのざっくりとしたあらすじは書かせてもらいます。それで良いのなら、okを出してください。あ、勿論悪いことは書きません。嫌だな、と思った箇所は教えてください。すぐに消すか直します。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
ナチテト@ワイ日本語おかしすぎワロタ - コメント失礼します。ほしふる。様のこの作品を、私の方で宣伝させてもらえませんか?私はこの作品に出会った時に、もっといろんな人に見てほしいと思い、宣伝したいと思いました。 (2022年4月6日 14時) (レス) id: b29450610e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほしふる。 | 作成日時:2022年3月5日 18時