36,出逢った場所 ページ36
暫く彼の腕の中で目を閉じていると水が流れる音が聞こえてきた。
目では分からないけど、ゆっくりと流れる水の音が聞こえたので私がお願いした場所まで連れて来てくれたのだろう。
草木が生えている地面に私を抱えながら治さんは腰を下ろす。
伏せていた目を開けると微笑んで此方を見ながら私の頭を撫でてくれている治さんが見えた。
口を何とか動かしながら彼に感謝の気持ちを伝えた。
「ここまで連れて来てくれて、有難う」
「大した事じゃないさ。其れに数少ない君が望んだ事だったからね。私も叶えてあげたかっただけだよ」
「ふふっ。素直じゃない、言い方するなぁ。
でも私は治さんのそう云う処も・・・っごほっごほっ」
「Aっ!!」
「だいじょーぶだいじょーぶ。でも血がちょっと治さんの服に付いちゃったね。ごめんなさい」
「そんな事どうだっていい!矢っ張り迅く家に戻ろう」
「・・・駄目」
「・・・・・・A?」
引き止めると治さんは目を丸くしていた。
それと同時にまるで空気を変わるように私達の間を風が通り抜ける。
その気を逃すまいと私は彼へ語り掛けた。
「治さん。貴方にお願いがあります」
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ユリア(プロフ) - すごく泣きそうになりました!でも、とてもいい結末だなーと思いました。 (2023年2月3日 23時) (レス) @page40 id: 4dc59746f6 (このIDを非表示/違反報告)
小指よくぶつける - めっちゃ泣いた。……!! (2020年8月27日 23時) (レス) id: eb8322ff5b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみる(プロフ) - 粉雪餅さん» 嬉しいお言葉有難うございます!楽しんで頂けて私もとても嬉しいです!有難うございました! (2019年9月21日 13時) (レス) id: 752a7ff7e6 (このIDを非表示/違反報告)
粉雪餅 - ゆうみるさん» 面白かったです!とっても泣きそうになりました!小説面白かったです (2019年9月21日 8時) (レス) id: bd26a6d5e5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみる(プロフ) - ななさん» 最後まで見て下さったんですね!!有難うございます泣 本作品楽しんで頂けたでしょうか?次回作はまだ思い付いてはいませんが次がありましたらまた見て頂けると嬉しいです!本当に有難うございました! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 752a7ff7e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうみる | 作成日時:2019年7月21日 8時