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『…っ遅いよ晃…』

「うん、」

『晃しかいないもんっ』

「うん、」

『晃としか結婚しないもん!』

「っ」





愛おしそうに目を細めてあたしを見つめてくれる晃は、どこか切なげで苦しそうで、でもとっても優しく笑った。





『嬉しい…っ』

「…待たせてごめん、」

『…ほんと…やっと!』





晃の腰に腕を巻きつけて抱きつく。そっと抱きしめ返してくれた晃はすぐに腕に力を入れてあたしを抱き寄せた。





「愛してる、」

『あたしも、っ』





スキ から アイシテル



3文字増えた分とっても重たいけど、その分幸せが倍以上で。プロポーズされた時は泣かないってずっと前に決めたはずなのに、止めどなく溢れる涙は無意識。





「ね、今度指輪買いに行こう、」

『え?』

「1人で買いに行ったんだけど、やっぱりAと一緒に選びたいと思ってやめたんだ」

『ふふ…晃らしいや、』

「明日にでも行こうか、Aの仕事終わり」

『ゴルフは?』

「ゴルフよりA、」

『ふは…ありがとう、』

「明日会社まで迎えに行く、」

『うん、じゃあ待ってるね、』





晃から離れて見上げると、嬉しそうに顔をくしゃくしゃにして笑う晃があたしの頭をぽんぽんと撫でてくれた。ああ、この瞬間がとっても好き。





「婚姻届、いつ出そうか?」

『その前に一応親に挨拶しないとね』

「はは、一応、ね」

『うちの親は喜ぶよ、いつ晃と結婚するんだって2人とも楽しそうだった』

「うちもだよ、早くAとの孫見せろってうるさかった」

『年末帰った時やばそう、』

「想像できるな、どんちゃん騒ぎだ」





親は喜ぶ。昔から知っている2人が付き合ったというだけで大喜びだったのだから。結婚したらきっと、発狂してしまうんではないかと少し心配になる。





『ね、あきら、』

「ん?」

『…好き、』





ただ今は、そんなのもどうでもよくて。どうしようもないくらい、晃が好き、でいっぱいだった。





(とりあえず、帰ろっか、)
(うん、そうだね)

俺泣きそうやわ (9)→←◯運命の時



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いちか(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます!きゅんきゅんしましたかね?良かったです。結婚式や子どもが生まれた話など書いてほしいとのお話もいただいてますので検討中です◯ありがとうございました! (2019年2月24日 0時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
りりり - 更新を楽しみにしていた一読者です。ものすごくキュンキュンしながら読ませていただきました。家族となった2人のお話の続編も楽しみに待っております。 (2019年2月22日 12時) (レス) id: a5ef03bd84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちか | 作成日時:2018年10月28日 20時

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