▽ 16歳 ページ29
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『晃待って!』
松田A、16歳。
「A遅い!荷物貸して!」
中村晃、16歳。
『…はあっ、ごめん…!トロくて!』
「いや、これ荷物重すぎ…何入ってんの」
『本…欲しくて、ちょっと買いに行った…』
「ふは…Aらしい、」
高校2年のある日帰り。校舎出るのが少し遅くなって、電車の発車ギリギリ間に合いました。息を整えていると晃に頭を小突かれて、ばーか、と笑われた。
『ご、ごめん…』
「何の本?勉強の?」
『ううん、見る?』
「うん、」
ガサゴソと紙袋から今日買った本を取り出すと、晃は少し驚いたようにあたしを見た。へへん、と得意げに見せびらかしたのを後悔するのはこの後すぐ。
「…野球の勉強しようと思ったの、?」
『うん、ほら、晃もうすぐ県大会じゃん。少しならルールわかるんだけど、やっぱりもう少し勉強したいと思って』
「…それくらい俺が教えるよ」
『でも…晃忙しいもん、』
「いや、どっちかというと頼られた方が嬉しい」
『がーん………』
「…ったく、」
『ご、ごめん…迷惑、かなって…』
「それくらい迷惑なんかにならないっての」
『面目無い…』
「じゃあ、1週間後テストな、」
『え、は、て、すと?』
「そう、野球のテスト」
『予習してくれる?』
「……しょうがないな、」
『へへ、やった、頑張る』
1週間後、野球のテストをやったら悲惨だったので晃に怒られた。
(20点、何聞いてたの?)
(ひえっ…すみません、!)
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いちか(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます!きゅんきゅんしましたかね?良かったです。結婚式や子どもが生まれた話など書いてほしいとのお話もいただいてますので検討中です◯ありがとうございました! (2019年2月24日 0時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
りりり - 更新を楽しみにしていた一読者です。ものすごくキュンキュンしながら読ませていただきました。家族となった2人のお話の続編も楽しみに待っております。 (2019年2月22日 12時) (レス) id: a5ef03bd84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちか | 作成日時:2018年10月28日 20時