あーちゃん ページ18
.
『あーちゃん、』
「ふは、懐かしいね、どしたの？」
ある日のオフ、午前中にトレーニングを済ませて午後はまったりAと家で過ごしてたんだけど、突然Aが昔のあだ名で呼んできた。
『いや、昔こう呼んでたなって、』
「そうだね、ずっとそうだった」
『いつからか呼ばなくなったけどね』
「あれだ、中学２年の時、Aがヨシキと付き合ってから」
『え、覚えてる？』
「うん、そりゃもちろん、なんかショックだったし」
『そうなの？』
「幼馴染の特権ってやつだよ、俺だけあだ名で呼ばれてて、やっぱ幼馴染だし特別だと思ってたから」
『そっか…なんかごめんね、』
「いや、もうそんなのも忘れてた」
当時は、中学生なりにショックだったんだと思う。確かそれ以来だ、俺がAを好きだと気づいたのは。
『でもあたし、ヨシキと付き合ったのは晃の気を引きたかっただけなんだけどな』
「え、そうなん？」
『うん、だってあたしはずっと晃のこと好きだったから』
「…そうなの？初めて知った」
『へへ、初めて言った』
「まあ今となっちゃ思い出にすぎないけどね」
『だね、』
そっと俺の横に座ったAが俺の手を握った。小さくて温かい手が、強く俺の手を握っていて、なんだか幸せを感じる。
『好きになってくれてありがとう、晃』
「俺の方こそ、好きになってくれてありがとう」
見つめあって、どちらからともなくキスを交わした。Aをそっと押し倒せば、することは１つだけ。
『…晃、まだ夕方』
「ん、でももう無理だよね」
『…えっちな晃、』
「そんな俺は嫌い？」
『…ううん、どんな晃も大好き』
「ありがとう、」
夕日に照らされてオレンジ色に染まるAはどこかえろくて艶っぽくて。俺の理性を壊す天才はきっと自覚症状なし。
『すき、晃』
「…俺も、A好きだよ」
今夜はきっと、甘い夜。
(あーちゃん！もう朝だよ！)
(無理もう少し寝る)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちか(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます！きゅんきゅんしましたかね？良かったです。結婚式や子どもが生まれた話など書いてほしいとのお話もいただいてますので検討中です◯ありがとうございました！ (2019年2月24日 0時) (
レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
りりり - 更新を楽しみにしていた一読者です。ものすごくキュンキュンしながら読ませていただきました。家族となった2人のお話の続編も楽しみに待っております。 (2019年2月22日 12時) (レス) id: a5ef03bd84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちか | 作成日時：2018年10月28日 20時
