起こしてごめん ページ38
.
がちゃり、という扉が閉まる音で気がついた。起きようとすると後ろから肩とお腹あたりを布団の上からホールドされた。
『……あきら、?』
「ん、」
『お疲れさま…』
眠い目を開けられず、されるがままに身をまかせる。後ろから回ってきた晃の腕をぽんぽんと叩くと、更に力が強まった。
『……ごめん、今日は来ないと思って寝てた…』
「ううん、Aも疲れたでしょ?」
『…晃ほどじゃないよ、』
微かにビールの匂いがする。そうだよね、ビールかけしたんだもんね。お風呂はいったとはいえ、まだ残るか。
「俺のほうこそ、起こしてごめん」
『…大丈夫だよ、』
開かない目を無理やり開けて、晃の腕をほどいて晃の方へ向く。優しい目であたしを見る晃も少し眠そうだ。
『…おめでとう、晃、』
「ありがと、」
再びぎゅっと抱きしめられて晃の温もりに包まれる。安心するこの温もりにまた睡魔が襲う。
「このまま泊まっていい?」
『晃が大丈夫ならいいよ』
「うん、大丈夫」
『じゃあ、おいで』
「ありがとう」
一度離れて布団の中に入ってきた晃が、腕枕をしてくれて素直に頭を乗せる。頭をわしゃわしゃと撫でると、晃はふいに触れるだけのキスをしてきた。
『…酔ってる?』
「さすがにもう覚めた、」
『…あたしは寝るよ、』
「ちょ、嘘、1回起きたならすぐ寝ないで」
『眠い…』
「えー」
まあいっか、と諦めたように軽くあたしを抱きしめる。そんな晃はきっとあたしより早く数秒で寝た。
(まだ寝てる、赤ちゃんみたい、)
213人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちか(プロフ) - りりりさん» ありがとうございます!きゅんきゅんしましたかね?良かったです。結婚式や子どもが生まれた話など書いてほしいとのお話もいただいてますので検討中です◯ありがとうございました! (2019年2月24日 0時) (レス) id: d72f7e0d49 (このIDを非表示/違反報告)
りりり - 更新を楽しみにしていた一読者です。ものすごくキュンキュンしながら読ませていただきました。家族となった2人のお話の続編も楽しみに待っております。 (2019年2月22日 12時) (レス) id: a5ef03bd84 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いちか | 作成日時:2018年10月28日 20時