たくさんの愛に包まれて２ (ページ38)

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最後のお願いやな？ページ38

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「！」

俺はいつの間にか寝ていたらしい、

ここ最近、

Aの夢ばっかりを見る

「…懐かし…、」

長さんとは普通に接してる、

長さんも普通に接してくれてる、

Aとは、あれっきり。

－幸せにしたる、－

俺が幸せにしてやりたい

でも長さんを裏切れない

なあ、Aは

Aはどういう気持ちで居るん？

「もしもし、」

『あ…勇人？A、ですけど』

「！」

電話が来たので適当に出た、

相手はAで突然すぎてびっくり

『ごめん…今大丈夫？』

「おん、どうした？」

『…あの、』

電話の向こうで黙ってしまったA、

何を考えて居るかはよくわからない

昔ならわかったんやろうな、

『すごい迷惑だと思うけどね、明日、パス取ってくれないかな…』

「え？」

『……勇人に、話したいことある』

「今じゃ、ダメなん？」

『うん、』

今じゃダメなの、と言ったAは迷いない返事だった。

何となく今の顔は想像できる、

『ねえ、』

「ん？」

『…ヒサ……長野さん元気？』

「…ああ、元気やで」

『、あんまり調子は良くないよね』

「…まあ、な」

『…』

明日会えるといいなあ、とAの言葉は聞こえないふり、

ああ、Aの気持ちはもう決まってるんやな？

「じゃあ、明日パス取っとくな」

『ごめんね、ご迷惑おかけします』

「迷惑なんかやないで？謝らんといて」

『試合見てからそっち行くね、いい？』

「おん、ええよ」

『ありがとう、勇人』

「ええから、」

きっとAの、

最後のお願いなんやから

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