たくさんの愛に包まれて ２

もう、前に ページ39

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『…よし、』





今日もジャイアンツは勝利、

ヒサはマルチで今日の調子はなかなか良かったみたい。





『もしもし、』

「もしもし？坂本やけど、これから来る？」

『うん、今から行く』

「わかった、入り口で待ってるわ」

『ありがと、』





電話を切りながら、裏口へと向かった。

大丈夫、自分の気持ち、ちゃんと伝えられる。



そしたらちゃんと

ヒサに気持ちを伝えに行こう



ねぇ、勇人

あたしはちゃんと前に進んでたみたいだよ





『勇人、』

「おお、」

『ありがとう、パス取ってくれて』

「いいえ、」

『お疲れさま、やっぱ勇人はかっこいいや、』

「ふは、さんきゅ」





ふにゃりと笑った勇人は本当に変わってないね

笑うと目が無くなるところは可愛くてほんとに好きだった、ううん、今でも好き





『…あのね、勇人』

「おん」

『…亀井さんが…あの時言ったあの言葉、もし本当なら嬉しいよ』

「え？」





−勇人はまだAちゃんが好きやで





「……ああ、」

『まだ勇人が好きでいてくれるくらい…あたしは勇人にとって良い女でいられたのかなって』

「…そうやで、Aはほんまに最高やで？亀井さんの言葉は嘘やない…俺はまだAが好き」

『…っありがと勇人』

「、」

『何度も勇人とヨリを戻せたらって夢見た…勇人に選んでもらった部屋の灯とか…ネックレスとか…全部手放せずにいた、っ』

「なあAっ」

『でもね勇人、』

「っ」

『…あたしは、もう前に進んでるみたい』





ヒサが好き、

そう気づいたの



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