たくさんの愛に包まれて ２

会うたびにどんどん ページ35

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「お待たせ、」





待ち合わせしていたお店に入るともうすでにAは来ていた。

俺の顔を見るなり、にこりと笑顔を浮かべる





『お疲れさま、』

「ありがとう」





あの日、連絡先を交換した、

もう何度もこうして会っている



今日俺は

彼女に告白しようとしている





『美味しかった、ありがとう』ごちそうさま

「いいえ、」

『いつもごめんね？たまにはあたしが…』

「ええから、いつも来てくれるお礼」

『…だって、』





気にせんで、と笑うと

ありがとう、と困ったように笑うA

その笑顔、俺だけのものにしてもええ？





『じゃあもう帰ろうかな、』

「なあ、少しだけ、一緒に歩かん？」

『え？』

「話したいことあんねんけど、」

『いいよ、わかった』

「じゃあ、行こ？」

『うん、』





もうすぐ梅雨かな、

空の雲が黒く見える



雨が降る前に、

俺の気持ちを伝えなきゃ





「あんな？A、」

『ん？』

「俺、遠回しとか嫌いやからはっきり言うな？」

『うん？』

「俺な、Aが好きやねん」

『え…』

「付き合ってくれませんか、」

『っうそ、』

「嘘やないで、」





ほんま、と言いながらAを抱きしめた。

こうしてAに触れたのは初めてかもしれへんな、

今までは友達やったもん





『っ坂本くん、』

「勇人、」

『…はやと、っ』

「好きや、A」

『っ』

「Aの気持ち、聞かせてくれる？」





抱きしめといてフられたらどうしようとか考えへんかったのかな、

もうそんなこと思っても遅いんやけど、なんて俺は結構冷静で、





『好きっ』





でもAのこと返事で

冷静さなんてどこか飛んでしまって





「ほんまに！？」

『ほんまに、』

「よっしゃー！」





道端で叫んでしまうほど

Aと付き合えたことは嬉しかった



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