The Over (ページ27)

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「あいつほんとうるさい、」

『ふふ、元気だよね』

走っていく上沢の背中を見つめながら、Aはクスクスと笑っている。まぁ、あれが上沢のいいところだけど。

「あ、れ？卓さん？」

『あ、』

「おー、遥輝」

「どうしたんですか？卓さん、」

「A迎えに来た」

「え…？」

『合格祝い、どこか連れてってくれるって』

「へ、へぇ…」

「遥輝は進路決まった？」

『遥輝は大学受験なんです、』

「そっか、体調には気をつけろよ」

「は、はい…」

そうか、一応受験生に頑張れは禁句だから、２人とも体調のこと気にしてくれるのか。

「じゃあ行く？」

『はいっ』

「じゃあな、遥輝」

「あ…はい、」

『じゃあね、』

卓さんの隣を歩くA。あ、まただ。行くなって手を掴めればいいのに、思い切りがない俺は、一歩引いてしまう。

「っ…」

これで俺は何度失敗したんだろう。バカなやつ。学習しない男。だからAも好きになってくれるはずがない。

「あのっ、西川さんっ！」

「…？」

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