薬指の秘め事 (２)

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「遥輝さん」

「おー剛どうしたん？」

「可愛い子ちゃんが来ましたよ」

「A？」

「そうです、」

「おん、今行く、」





剛に呼ばれて、Aが待ってる場所へ向かう。どんな格好してるんやろう、と思いながら姿を探す。





『あ、っ遥輝さん…！』

「…！」





聞き覚えのある声の方へ振り向くと、そこにはAがいて。その姿はほんまに天使が舞い降りてきたんやないかってくらい可愛くて。





「A…」





ああ、やっぱその服似合っとるな。見惚れたわ、完全に。俺と剛で選んだその服を着てきたなんて、ほんまに記憶ないん？って思う。





「やっぱ…似合っとるな、それ」

『…あの、』

「何も言わんでいいから、」

『…今日、ありがとうございます…わがまま、聞いてもらって』

「はは、このくらいチョロイチョロイ。いつでも言って？」

『…はい、』

「そしたら俺シャワーしてくる、」

『あっ、じゃああたし席に行ってます』

「おん、」

『ちゃんと、見てますね』

「ありがとう」





見てるって言ってくれたのが何よりも嬉しくて、見送ってくれるAに手を振ると、Aは笑顔で手を振り返してくれた。



ああ、ほんまに、好き。



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