まことの恋

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ｰ慎side

慎「連絡先も聞いてなかったから彼女の弟に聞いたんですけど、返事無いどころか既読すらつかなくて。
…ブロックされてるのかなって。」

壱馬「んー…。
それはショックやなぁ。
でもな、慎。」

慎「はい。」

壱馬「真面目な話な、もしその人と付き合ったとして、やっていけるか？」

慎「…どういう意味ですか？」

壱馬「…彼女おる俺がこういうこと言うのもなんやけど…、俺らってさ、芸能人やんか。」

慎「はい。」

壱馬「当然彼女さんにも色々我慢してもらわなあかんこともいっぱいあるし、お前も我慢せんとあかんことがいっぱいあるで。
それは分かっとる？
お前の行動1つで彼女さんが傷つくこともあるし、お前が傷つくこともある。
その覚悟は出来とる？」

慎「…。」

壱馬「…俺らはな、“好き”だけで誰かと付き合うとかはもう無理やと思うねん。
もしバレたら？
バレて、彼女さんがバッシングされたら？
仮に祝福されたとしても、もしその後で別れたら？
…彼女さんのな、一生を背負う覚悟が無いとあかんと思うねん。
慎さ、今結婚できるか？」

慎「…そりゃ、いつかはしたいと思ってますけど…。」

壱馬「いつか、やなくて、“今”や。
できるか？」

慎「…。」

壱馬「…その人年上なんやろ？
いくつ上？」

慎「…8つ上です。」

壱馬「…慎の8つ上ってことは、来年30やんな？
…きつい言い方かもしれんけど、諦めた方がいいと思う。
女の人ってさ、子供産むタイムリミットとかもあるやんか。
慎、胸張って結婚できるようになるまで何年かかると思う？
5年、10年、あるいはもっとかもしれん。
それだけ待たせて、やっと結婚できて。
その時、彼女さんが子供欲しがったらどうする？
リスクめっちゃ高くなるで。
…最悪子供も彼女さんも一篇に失うかもしれん。
そこまで考えたことあるか？」

慎「だけど…っ！」

壱馬「…俺も冬華さんと付き合っとるし、冬華さんのこと待たせとる。
冬華さんだって今年26や。
樹の彼女さんの水雅さんだって、今年で27やな。
…こんな言い方するんはあれやねんけど、まだ2人の方が若い分少しは待っててもらえる。」

慎「…なんですか、それ。」



壱馬さんは、Aさんのことなんて何も知らないくせに。

俺はふつふつと怒りが湧いてくるのを感じた。

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