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満月の夜 ページ2
12時を少し過ぎる頃。
月明かりに照らされて、草木も眠る頃。
一人の青年が走っていた。
青年が不意に止まる。
その視線の先には月明かりに照らされている、一人の少女がいた。
少女は、泣いていた。
「どうしたの」
青年が問いかける。
少女は答える。
「わからないの。自分が何者で、何故ここにいるのか。」
「あなたは私が誰だかわかる?」
青年は驚いた顔をしたが、すぐに何かを察したように頷いた。
「知ってるよ。君のこと。」
少女は聞く。
「私のことを、教えて欲しい。」
青年は笑う。
「いいよ。本当に知りたいのなら、次の満月の夜、ここに一人で来ること。いいかな？」
少女は深く頷いた。
「じゃあまたね♪
＿＿＿＿＿＿＿＿＿。」
青年が放った言葉を遮るように、強い風が吹いた。
思わず少女は目をつぶる。
少女が目を開けたとき、青年の姿はなかった。
続く
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作者名：塩キャラメルは俺の嫁の好物 | 作成日時：2016年3月25日 22時
