弐話 「出会イハ突然ニ」2 ページ4
「何してるんですかあぁぁあぁああ!!」
グイッと右腕を引っ張られ、陸に戻された。
「ハァ、ハァ……」
白髪(はくはつ)に変な髪型の男の人に助けられた。
嗚呼、せっかくの私の決意が…
「な、何してたんですか!?」
「自 殺」
「はあ!?」
__だから、自 殺しようとしてたの
そう云うと、彼は何も言って来なかった。
が、ため息はつかれた。
「な、なんて可愛い少女だ…!こんな若い命を自分でしかもっ!一人で落とそうなんて……
なんなら私を誘ってくれればよかったのにいぃぃ!!」
少年と一緒にいた青年が云った。
……は?何この人。
ていうか別に…
「死ねるならなんだっていい」
私がそう云うと、白髪の少年が目を見開いた。
「自 殺しようとしている私が言うのもなんだけど、どうして君は死のうとしているのだい?」
少し気が引けたが、全て話した。
唯一の家族がずっと前に死んでしまっていたことを、最近知ったこと
生きる意味を失ってしまったこと
どうせなら自分も死んでしまった方が、と思ったこと
「そんなことが…」
少年は悲しそうな顔で私を見てきた。
どうして兄が死んだことがわかったというと、初めは私の勘だった。
でも、家を出て来るときに見つけてしまったのだ。
兄の遺書を
そこで私は、兄は死んだということに確信した。
そして、そのことも二人に話した。
「その遺書には、なんて書いてあったんだい?」
「色々書いてあったけど、一番最後に、」
__“人を救う側になれ”と書いてあった。
青年の目が、思いきり見開いた。
だが、それも一瞬のことで、すぐに元に戻って、こう言った。
「…なら、死のうとなんてしないで、その望みを叶えたらどうだい?」
と。
確かに……これが、兄さんの望みなら…
「丁度私の職場は、武装探偵社という、人を救う仕事をしている所なのだよ。
どうだい?
入る気はないかい?」
人を、救う仕事…!
「……入れて、ください…。
私も、その仕事に入れてください…!」
私が言うと、青年はニッと笑って
「よし!」
と、答えた。
兄さん、私…頑張るよ…!
「……(まさか…ね。)」
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船長 - 九尾と狐が大大大好きでサイコーでした。!これからもコーシンよろしくお願いします (2017年4月29日 16時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - サユキさん» 織田作に妹とか兄弟がいたらどうなるのかなぁと思って作った設定なんです!応援ありがとうございます! (2016年11月27日 22時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
サユキ - 織田作妹設定、最高です。何回も読みたくなりますね!応援してます。 (2016年11月27日 19時) (レス) id: af3a803923 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - Chrisさん» あ、そうなんですね!教えて頂きありがとうございます!何せネットでチラッと見ただけだったので… (2016年11月5日 0時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - コメント失礼致します。英語の綴りが気になったので……。Trick 'BUT' treatです! (2016年11月4日 23時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三毛猫 | 作成日時:2016年7月9日 18時