弐拾陸話 「兄ノ話」 ページ28
「遺体の損害は少なかったから、川を流れたのは長くて一日。昨日は火曜。平日だ。
なのに遺体は私服で化粧もしてなかった。激務で残業の多い刑事さんが平日に私服かつ化粧なしとくれば死んだのは早朝。」
なるほど…
犯行現場とかも気になったが、流石にそこまではわからなかったらしい
「あ、でも彼女の台詞まで中てましたよね」
「遺体の腕についてた腕時計と、杉本巡査のつけてた腕時計…同じだった」
「よく見てたね。あ、だからあの時遺体の周りうろちょろしてたのか」
言い方に少しいらっとしたが、無言で頷いた。
「あの腕時計、海外銘柄のものだ。独り身の女性が自分用に買う品じゃない。巡査の腕時計はその紳士用だった」
「じゃあ……あの二人は」
「うん。早朝の呼び出しに化粧もせずに駆けつける。そして同じ機種の腕時計。
二人は恋人同士だったのだよ。職場にも秘密のね」
だから遺体の顔を蹴れなかったのか…
「さて、敦くん。これで判っただろう？」
太宰さんはにっこりと笑って云った。
「乱歩さんのあの態度を探偵社の誰も咎めない理由がさ」
「さあA、ここが今日から君の家だよ！気軽にくつろいでいいからね！」
「はあ……」
仕事も終わり、私は太宰さんと同居することになった
家には作兄(織田作)との思い出がたくさんあるけど、今一人で彼処にいたら、気がどうかしそうになるかもしれないな…
でも流石に泊めてもらうのに何もしないのはな……
「太宰さん。何もしないのはあれなので、これからご飯くらいは作りますよ。」
私がそう云うと、太宰さんは目を輝かせた。
「え！？本当に！？」
「はい。確か、蟹好きでしたよね。あとお酒」
「う、うん……そうだけど…何故君が私の好物を？」
「作兄が云っていました。」
「………そっか、織田作が…」
「はい。とても楽しそうにいつも話していました。豆腐の角に頭ぶつけて自 殺しようとしてたとか…」
「ははっ、そんなこともあったなぁ」
太宰さんは少し寂しそうにしながらも、笑って云った。
「あの、もしよろしければ、兄のこと教えて頂けませんか。職場でのことや、太宰さんと、坂口さんといたときのこと……」
太宰さんは始めは考えていたが、すぐに笑って、勿論、と云ってくれた。
その後は、寝るまでずっと作兄の話を聞いていた。
それからしばらくは、何も起こらず、平和な日が続いた。
だが事件とは、唐突に起こりうるものなのだ
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船長 - 九尾と狐が大大大好きでサイコーでした。！これからもコーシンよろしくお願いします (2017年4月29日 16時) (
レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - サユキさん» 織田作に妹とか兄弟がいたらどうなるのかなぁと思って作った設定なんです！応援ありがとうございます！ (2016年11月27日 22時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
サユキ - 織田作妹設定、最高です。何回も読みたくなりますね！応援してます。 (2016年11月27日 19時) (レス) id: af3a803923 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - Chrisさん» あ、そうなんですね！教えて頂きありがとうございます！何せネットでチラッと見ただけだったので… (2016年11月5日 0時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - コメント失礼致します。英語の綴りが気になったので……。Trick 'BUT' treatです! (2016年11月4日 23時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三毛猫 | 作成日時：2016年7月9日 18時
