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弐拾伍話 「真相」 ページ27

乱歩さんが杉本巡査を指さすと、箕浦さんはどっと笑った。


それでも乱歩さんは引かずに杉本巡査がはんにだと言い切る。


乱歩さんは杉本巡査に拳銃を貸して貰おうと手を差し出す。


「その銃を調べて何も出なければ、僕は口先だけの阿呆ってことになる」


「杉本、見せてやれ」


箕浦さんは拳銃を見せるように言うが、杉本巡査はそれをなかなか実行に移さない。


「彼は考えている最中ですよ、箕浦さん」


私はついつい口を開いてしまった。


「わかっているね、A。

そう、杉本くんは考えているんだ。減った三発分の銃弾についてどう言い訳するかをね」


杉本巡査は拳銃を取り出そうとする。


「あ、今カチッて音した」


太宰さんが私のその呟きに目を少し見開き、マズい、と云う。



「行け、敦君!」

「え!?」


ドンッと敦の背を押す太宰さん。


敦は銃が撃たれる前に銃を上に向かせ、腕を締め上げる。


「逃げても無駄だよ。犯行時刻は昨日の早朝。場所はここから140(メートル)上流の造船所跡地。

そこに行けばある筈だ。君と被害者の足跡が。消しきれなかった血痕も」


「続きは職場で聞こう。お前にとっては……元職場になるかも知れんが」


箕浦さんは杉本巡査の肩に手を置くと、ジャラッと音を鳴らし、手錠を出した。




「凄かったですね乱歩さん!真逆全部中てちゃうなんて『超推理』本当に凄いです」


敦はそう云うが、太宰さんは考えるように手を顎に添えた。


「半分……くらいは判ったかな」


「判ったって……何がです?」


敦は不思議そうに聞く。


「だから先刻のだよ。乱歩さんがどう推理したか。Aはどうだった?」


急に私に話を振られる。


「そう…ですね……太宰さんの半分くらいでしょうか」


あ、じゃあ1/4か


「実はね、乱歩さんは能力者じゃないのだよ」


太宰さんがそう云った途端、乱歩さんのドヤッとした顔が思い浮かんだ。


敦は思いっ切り驚いてた。

私も驚いたけど


しかもあれで26歳らしい……世の中わからん


「でも……どうやって事件の場所を中てたんです!?」


「杉本巡査、云ってた。『偽装の為だけに遺骸に二発も撃つなんて』って」


「よく聞いてるねA。普通三発撃たれてる死体を見たら誰だって"三発同時に撃たれた"って思うよ。バンバンバンで死亡」


太宰さんは人差し指を立てて説明する


敦は犯行時間について聞く。

私もそれ分からなかったから聞きたい。

弐拾陸話 「兄ノ話」→←弐拾肆話 「超推理」



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船長 - 九尾と狐が大大大好きでサイコーでした。!これからもコーシンよろしくお願いします (2017年4月29日 16時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - サユキさん» 織田作に妹とか兄弟がいたらどうなるのかなぁと思って作った設定なんです!応援ありがとうございます! (2016年11月27日 22時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
サユキ - 織田作妹設定、最高です。何回も読みたくなりますね!応援してます。 (2016年11月27日 19時) (レス) id: af3a803923 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - Chrisさん» あ、そうなんですね!教えて頂きありがとうございます!何せネットでチラッと見ただけだったので… (2016年11月5日 0時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - コメント失礼致します。英語の綴りが気になったので……。Trick 'BUT' treatです! (2016年11月4日 23時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三毛猫 | 作成日時:2016年7月9日 18時

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