拾伍話 「痛イ人ヲ見ルヨウナ目」 ページ17
太宰さんの事を叩いた後、妾はナオミの元に駆け寄った。
「全く...女子(おなご)がこんな無茶をして」
はぁ、と溜め息をつくと、いや君もだからね、と太宰さんに突っ込まれた。
とりあえず、そこはあえて無視。
「異能力『狐ノ嫁入リ
.
超回復』」
妾はナオミの傷口に手をかざすと、そこから淡い輝きが光り、ナオミの傷を治していく。
「ほぉ」
この力は太宰さんも驚いた様だ。
「ねぇAちゃーん」
ふいに名前を呼ばれ、後ろに振り向く。
「どうせなら谷崎くんも治してくれないかなー?」
無理かなー?と聞かれる。
確かに治せることは治せる。
だが、
「治癒の力は体力を大幅に使う。芥川との戦いで力を少々使いすぎてしまったからな。
さすがに二人治すのはキツイのじゃ。」
なんせずっと家の中にいたのだ。
身体能力は良くても体力がない。
このままでは妾が倒れて御荷物になってしまう。
それだけは避けたい。
地道に鍛えていくしかないの...
「そっかぁ、それは残念だ。
ほら敦君、起きなさい」
先程の様に敦の頬をぺちぺちと叩く太宰さん。
「んん...あれ、太宰さん...僕は一体...って」
どうやら目を覚ました様だ。
それはいいが、妾を変な人の様に見るのはやめてほしい。
まあ、耳を生やし、尾まであるのだ。どっかのコスプレの変な痛い奴だとか思われているに違いない。
「だ、だだ誰ですかあぁあぁぁぁ!!?」
「敦君、この娘はAちゃんだよ」
「えっ、Aちゃん!?Aちゃんってそんな趣味が......?」
ほらやっぱり
「断じて妾の趣味ではない。これは妾の異能力を使った姿じゃ
.
.
次そんなこと云ったらこの尾でお主の肝貫いてやる...!」
そう脅すと、ヒッ、と息を飲む音がした。
その後に勢いよくごめんなさい!と謝ってきた。
流石にやり過ぎただろうか......
「まぁ、とりあえず、探偵社に戻ろう。谷崎くんのこともあるしね。」
あ、Aちゃんはナオミちゃんのこと宜しくね、と云われたので、とりあえず負ぶる。
そのまま妾たちは探偵社へ戻って行った。
.
.
「只今戻ったよー」
「太宰イイィ!貴様今の今までどこで何をしてい...た......」
国木田さんもその目は止めてほしい。
とりあえずめんどくさかったので、説明は全部太宰さんに任せた。
なんかちょっと話し盛られたけどまぁいいや。
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船長 - 九尾と狐が大大大好きでサイコーでした。!これからもコーシンよろしくお願いします (2017年4月29日 16時) (レス) id: 8b9f7d7cc1 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - サユキさん» 織田作に妹とか兄弟がいたらどうなるのかなぁと思って作った設定なんです!応援ありがとうございます! (2016年11月27日 22時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
サユキ - 織田作妹設定、最高です。何回も読みたくなりますね!応援してます。 (2016年11月27日 19時) (レス) id: af3a803923 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - Chrisさん» あ、そうなんですね!教えて頂きありがとうございます!何せネットでチラッと見ただけだったので… (2016年11月5日 0時) (レス) id: 42d9b51195 (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - コメント失礼致します。英語の綴りが気になったので……。Trick 'BUT' treatです! (2016年11月4日 23時) (レス) id: 2c836ec423 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三毛猫 | 作成日時:2016年7月9日 18時