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店内に戻り、先程の子たちが座っていたテーブルのバッシングに向かう。
『……ん?』
ふと、椅子の上にスマホが落ちていることに気がつく。
『あ…』
きっと片方の子が忘れていったんだ。
どうしたものかと考えていたら、ピークを過ぎて一段落した早織さんが奥のキッチンから出てきた。
早「どしたの?」
『あ…さっきのお客さんがスマホ忘れていったみたいで』
早「あちゃー。まだ近くにいらっしゃらないかな」
『なんか慌てて走って行ったので、たぶんもういないかなと…』
早「そっかぁ…ま、気づいて後で取りに来るかもしれないから、今日一日はうちで預かっとこうか。」
『わかりました。』
店の奥にある、休憩室兼事務所でスマホは預かっておくことにした。
早「そろそろAちゃん休憩しておいで」
『わかりました』
早織さんから賄いが盛りつけられたお皿を受け取り、休憩室に向かう。
中に入ると、机の上に置いてあった例のスマホが震えていた。
『え、どうしよう…』
スマホの画面には"みっちー"と表示されている。
勝手に出て良いものか。
もしかしたら、誰かのスマホを借りて電話をかけているのかもしれない…
『もしもし…』
意を決して電話に出た。
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作者名:雪 | 作成日時:2022年11月24日 4時