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お会計が終わって、長尾くんが店員さんから荷物を受け取ってくれる。
『…ありがとう。』
謙「いーえっ」
そういうところ、本当に優しいなあと思った。
まだ時間があるので、他のお店も見て回る。
『…あ、』
謙「ん？どしたん？」
通り過ぎようとしたお店で、たまたま好みのスニーカーに呼ばれてしまった。
謙「お、あれもかわええな〜試着してみたら？」
長尾くんに促され、店の中に入る。
試着してみると、ジャストサイズで
『…かわいい』
鏡に映る自分の足元を見て、心がときめいた。
謙「めっちゃええと思うで！」
長尾くんも隣で猛プッシュしてくれる。
…でも、
『…ちょっと考えようかな』
謙「え、そうなん？」
店員さんに、スニーカーを返してお店を出た。
長尾くんはちょっと残念そうな顔をしている。
謙「サイズ合わんかったん？」
『ううん、ただあんまり履く機会ないかなあって思ったの』
平日は職場の往復だけだし、休日もあまり外出しないからシューズクローゼットの中で埃を被ってしまう気がした。
現に、自宅にある靴の何足かはまったく履いていない。
謙「……」
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作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 4時
