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それからまた、長尾くんはいつもの火曜と木曜にお店に来てくれるようになった。
映画の話やK-POPの話で盛り上がる。
でも、お互いあの夜のことには触れない。
ある日、海に沈む夕日の写真も見せてもらった。
謙「"夕焼けハンター"になって、海まで夕焼けの写真撮りに行ったりすんねん。」
『夕焼けハントかあ…素敵だね。』
謙「でしょ？地元でおった頃は友だちとしょっちゅう行ってたなあ」
『そうなんだ。わたしも今度夕焼けハンターしてみようかな』
謙「お、そしたら写真見せてなっ！」
そう言って無邪気に笑う彼を見て、思わず胸がきゅうっとなる。
『……うん』
謙「じゃあ、ご馳走様でした。また来ます」
『いつもありがとう。バイト頑張ってね』
謙「ありがとう、Aさん」
ドアの前で、いつものように彼を見送る。
「ばいばーいっ！」と元気よく手を振る彼に、小さく手を振り返した。
夕焼けの道を歩いて行く彼の後ろ姿を見つめる。
早くなる胸の鼓動には気づかないふりをした。
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作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 4時
