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石川町駅から続く異国情緒溢れる通りを抜け、代官坂を登ると青い扉の洋館カフェが見えてくる。
自宅から徒歩10分程度。
そこがわたしの職場だ。
『おはようございまーす』
扉を閉めて、店内の奥に進む。
まだ開店したばかりなので、店内にお客さんはいない。
「あっ、Aちゃんおはよー」
キッチンから顔を覗かせて挨拶してくれるのは、ここの店長の早織さん。
早「仕込みはもう済んでるからね」
『了解です』
返事をしながら、素早くサロンを巻く。
早「今更だけど、遅番って今後も入ってもらって大丈夫？」
『全然平気ですよー』
ここに勤めるようになって２年。
早織さんはいつも良くしてくれる。
早「彼とは休み合う？ちゃんと会ってる？」
早織さんが心配そうに尋ねてくる。
『はい、会えてますよ。大丈夫です。それに今、彼も忙しいみたいなんで。わたしもじゃんじゃんシフト入ります！』
早「そうなんだあ…あ、でもそれは正直助かる！うち、人少ないし」
キッチンの中でふたりで喋っていると、ドアが開いてベルが鳴った。
『いらっしゃいませ』
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作者名：雪 | 作成日時：2022年11月24日 4時
