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私に歩幅を合わせ歩く彼は、何も喋らずただ真っ直ぐ前を向いていた。
不思議。
一緒にいるのに会話がなくて、ずっと沈黙が流れているのに、私の心はあったかい。
ギョンスさんといると、特別言葉を交わさなくても平気。
無理に話題を探そうとすることも、話題を振る必要もない。
ただ、隣にいてくれるだけで安心する。
温かい波が、カラダの中に押し寄せてくる感覚。
なんだろう。
これは、なに？
もう一度隣の彼を見ると、「そんなに見つめないで下さい」と照れた顔が俯いた。
そのせいで私もなんだか恥ずかしくなってしまって、両手で挟んだ自分の頬が、ほんの少し熱を持っていることに気がつく。
夜の、鋭く尖った冷たい風が2人の間を通り抜け、
RRR…
そしたら突然、スマホが鳴った。
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作者名：るるり | 作成日時：2018年4月28日 12時
