『浮気しました。ごめんなさい』【男主】 (ページ28)

今日:8 hit、昨日:2 hit、合計:129,990 hit

バレンタインページ28

｢あーあ、今年もいっぱい｣

｢……そ｣

それってジミナがもらったチョコの数のこと？それともAに群がる女子のこと？

今日、二月十四日は世にいうバレンタイン。毎年この日になると、Aは沢山のチョコを持って帰ってくる。

｢テヒョナはあげないの？？｣

｢あげ、たい…けど…｣

昨日頑張って作ったクッキーは、オーブンに入れた途端黒い塊になっていた。料理上手なジミナとは正反対だ。

｢気持ちがこもってればなんでも嬉しいよ｣

｢いやもうそんな問題じゃないから｣

あれをあげるなんて自分から嫌いだって言いに行くようなものだ。

｢今年はいくつもらったの｣

『いち、に…十八個』

｢お返しが大変だね｣

『そうだね』

なにかとソワソワしているA。多分俺から貰えるのを待っていると思うんだけど、無理なんだよな…。

『でも、テヒョナもいっぱいじゃん』

｢あー…うん。そうだね。これからバイト先でももらうから、もっと増えるよ｣

『……そっか』

あ、可愛い。妬いていくれてるんだ。久しぶりの気持ちが嬉しい。

｢ね、A｣

『なあに？テヒョナ』

｢Aからのチョコがほしいな｣

だめ？と首を傾げると、待ってましたと言わんばかりに、バッグから四角い箱を取り出した。

『はい！テヒョナ』

｢～～！！嬉しい！手作り？？｣

『うん。あんまり美味しくはないと思うけど…』

すぐ様に蓋を開けて一つ口に入れる。程よい甘さで、後味もスッキリしている。

｢おいしぃ～…｣

『ほんと？よかった』

お礼に一つキスをすると、びっくり顔のA。

あ、お返しは3倍に返さないと。