☆ ページ20
Sside
メンテナンスは淫らな事はしない。
プラトニックな時間なのだ。
愛犬をお風呂に入れる感覚と同じ。
だから、安心して松本に委ねられる。
全てを終え、眼鏡をかけて、パジャマに着替え、俺の濡れた髪を乾かすのも彼の役目だ。
正直、モデルをやる前の俺なら、確実に自然乾燥を行なっていたが、モデルになってから、髪のケアに松本が口を挟むようになり、俺は面倒なので全てを彼に任せる事にした。
美容師の如く髪を綺麗に乾かしていく。
「貴方は髪が綺麗なんですから、ちゃんと乾かさないとダメですよ。」
「どーせ、潤さんがやってくれるし…。」
「自分でも出来ないと大変ですよ。」
わしゃわしゃと髪を乾かし、綺麗に整えていく彼のテクニックには本当に驚かされる。
やはり、俺はこの時間が好きなのだ。
「眠たそうですね。なるべく早く乾かしますから、もう少し目を開けていて下さい。」
「…すまないな。」
松本の敬語、ホント慣れない。
いつも余裕そうで不可能だった事が無い、ミスターパーフェクトな松本。
俺はそんな彼が動揺する顔が見たい。
俺に振り回されて、松本の脳のコンピュータが壊れてしまうくらい、彼を支配したい。
でも、それは叶わない望みだ。
どうせ、松本が主導権を握る。
紙面に写る「帝王様」は表の顔で、裏の顔、つまり、本当の俺は彼の「従順な犬」でしかない。
足首にある赤と紫の宝石のついた、いかにも高そうなこのアンクレットも俺の飼い主が松本であるという事を示す証。
松本の手の中にあるという証明。
嬉しいけど、複雑な気持ちだ。
「…疲れただろ、先に寝て構わない。」
もう敬語タイム終了。
優しい手つきの天使的マネージャーは天に召されたのか、もう何処にも面影はない。
口が悪い悪魔的マネージャー、いや、天性のドS、松本潤に戻ってしまった。
「…了解です。貴方の言う通り、もう寝ます。」
「そう寂しそうな目をするな。すぐにベッドに行ってやるから、良い子にしてろ。」
クズめ。
出会った頃はこんなに過激な人じゃなかったのに…みるみるうちに本性を明かして、遂には悪魔と化してしまった。
こんな最低な態度を取る男なのに俺は彼から離れず、むしろ、寄り添っている。
悪魔的な飼い主だと分かっているのに近づいてしまう憐れな犬。
彼の罠にまんまと嵌っているのに、自覚しているのに気付いた頃には手遅れだ。
貴方の虜になっている。
離れる事なんて想像出来ない程、好きになっているんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 456人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
山風無限(プロフ) - 彩さん» コメントありがとうございます！翔くんは潤くんを信頼してますね( ^ω^ )相葉くんとの過去ももう少し掘り下げていけたら、いいと思っておりますので、今後の展開も宜しくお願いします！！ (2018年2月4日 21時) (
レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 潤さんが俺以外の人を好きになる可能性はゼロに近そうだしなんて言ってみたぁぁい(≧∇≦)相葉さんの登場で潤くんが揺れてるようにみえてしまう展開もハラハラするかも！？ (2018年2月4日 21時) (レス) id: 2665909202 (このIDを非表示/違反報告)
山風無限(プロフ) - 彩さん» コメントありがとうございます！翔くんに少しばかり手を焼いている潤くんは新鮮かもしれませんね！楽しく拝読なんて褒め言葉、嬉しいです！！二人の愛は多分…揺るぎません！これからも作品を宜しくお願いします！ (2018年2月2日 0時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - 潤くんが主導権を握っているようで実は振り回されてるお話しは、とても新鮮で、楽しく拝読しております(*´ｰ`*)ライバル登場にもめげす、二人の愛を貫いてほしいな((＊´艸`)) (2018年2月1日 22時) (レス) id: 6b973c95b5 (このIDを非表示/違反報告)
山風無限(プロフ) - 姫櫻さん» いえいえ、ありがとうございます！遂にリーダー登場です！愛されまくる翔くんという事で、これから、どうなるかお楽しみに(o^^o) (2018年1月18日 9時) (レス) id: 486c201f1f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：山風無限 | 作成日時：2017年12月29日 21時
