歳の差かくれんぼ。(緑) (ページ9)

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9.助け舟ページ9

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「お疲れ様です〜」

いつもよりスムーズに仕事を終わらせ、
周りの人に声をかけて自分のデスクを離れる。

『お、おつかれー』

「横山、まだするの？」

『ん、俺はもうちょいしてから帰るわ〜』

と言って腕を伸ばして意気込む横山。

じゃあ、と帰ろうとすると

『Aさん！』

……っと、顔を見なくても分かってしまう声。

なんだろうか。

『今帰りですか？俺も今から帰るんですけど、
一緒に帰りません？』

……また？
それは流石に…ねぇ…？

困る…困るの。嬉しいけど困るの。

「……えっ…と、」

とあからさまに返答に困っていると

『あ、A、ここちょっと手伝ってくれん？』

「えっ、うん、分かった！」

何かを察したのであろう、横山が
助け舟を出してくれたから、

明らかに準備して肩にかけてた鞄を下ろし、
隣に腰を下ろす。

「だから、うん、大倉くん、
今日は一緒に帰れない、ごめんね」

『…そう、ですか。分かりました』

そんなわかりやすく落ち込まないで。

私と帰れないことが悲しい、なんて
期待させるようなことしないで。

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