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氷剣の突き刺さった肩から、地面に体を打ち付ける度にぶしゅ、と血が吹き出て、凍らされた部分を狙ってきた青キジに性格が悪いなと苦笑いをこぼす。


喉に溜まった血塊が気道を塞ぎ、それを吐き出そうと地に手を付きながら咳き込んだ時、海軍本部の大地が大きく揺れた。

地震に似たそれは地面に巨大な溝を作り、霞んだ視界の中で分断された向こう側に一人立つ白ひげさんの姿を収める。
いつの間にかもがれていた彼の顔半分に、思わず息が詰まった。


悲痛な船員たちの叫びに目線だけをこちらに投げた彼と目が合った気がした。


一度も言葉は交わしていない。

私が一方的に、この短い間で《白ひげ》という男に触れ、尊敬の念を抱いただけ。

それなのに、彼は私の目を見ると表情を緩めたように見えて。


大きくなった耳鳴りと__遥か遠くの方に感じる、呪力では無い、けれどそれに似たなにかの気配が思考を妨げる。
ルフィが発したものよりもずっと強大なその気配は、無限の呪力を誇る憂太のものに近いと言えるだろうか。


体を支えていた腕に力が入らなくなって、まずい、と思った時には地面にべしゃりと倒れ込んでいた。




『__ごめんなさい』




屈強な誰かの腕に抱き上げられ、ぽつりと漏らした懺悔。

すぐ近くから誰かが声をかけながら逃げてくれているが、ノイズが混ざったその声は私の脳に意味を届けずに雑音として消えていく。




取捨選択だって、時には大切だ。
ましてや私の術式は制限が大きいのだから、そんな場面今まで何度も体験してきた。

そして、今までもこれからも、それを割り切っていくつもりだったのに。



白ひげさんを助けたかったと、こうも強く思うのは何故なのか。



彼岸花が咲き続けるこの場所で、一輪、また一輪と役目を終えた花が散っていく。

そして、また新たに誰かの死を予言するために新たに短い命を咲かせている。



鼻腔を擽る甘い匂いに、もしかしたらまた死ぬのか、なんて考えた。

いや、それより前に私が意識を失えば件と入れ替わって傷を治してくれるか。

的外れな安心をした私は、そのまま揺さぶられ続けるのを心地よく感じ、襲い来る眠気に逆らえず意識を手放した___

赤い髪→←#



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なぎしば(プロフ) - 改革さん» ご指摘ありがとうございます。確認したところ訂正すべき箇所が分からなかったのですが、具体的にどのセリフか教えて頂けますでしょうか? (4月20日 0時) (レス) id: 520c46c8a4 (このIDを非表示/違反報告)
改革 - 三話の一方通行って話の中のセリフがおかしかったです。 (4月18日 9時) (レス) id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 作者さんの素晴らしい語彙力で、戦闘シーンの緊張感などリアリティ満載の作品が楽しめました!とっても面白いです、ありがとうございました。 (2月25日 10時) (レス) @page33 id: 991a92c757 (このIDを非表示/違反報告)
なぎしば(プロフ) - わたあめさん» 感想を頂けてとても嬉しいです!更新頑張りますので、これからも飽きずにお付き合い頂けたら幸いです! (5月14日 16時) (レス) id: b937c10b42 (このIDを非表示/違反報告)
わたあめ - 凄く面白かったです!テスト前なのに一気見しちゃいました笑更新頑張ってください!! (5月11日 0時) (レス) id: ddaf0618b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2023年2月7日 17時

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