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「きゃあああ!!…え、?」




発砲音と、空気を劈く女性の悲鳴。


しかし、それは直ぐに動揺へと変わる。




『危な…大丈夫?』

「ぇ」

『…ねぇ、それと、もしかしてこの状況ってまずい?』

「ぅ、っひ、うわああん!」




思わず飛び出した体は小柄な少年を抱え手近な屋根に着地した。
少年は私の顔を見て安心したのかぼろぼろと泣き出してしまい、子供のあやし方など知るはずもない私はただただ戸惑うばかり。


何者だえ!と下から銃声と声が聞こえたので、慌てて少年を抱え直して飛び降りる。
近くにいたガタイのいい男性に少年を預け、自分にだけ銃が向けられるよう両手をあげて近付いた。


『すいません、ちょっと体が勝手に』

「誰が勝手に喋っていいって言ったかえ!黙るんだえ!」

『えぇ…めんどくさ…』




弁明しようと試みれば、銃の引き金に手をかけられる。
下手な刺激をしないように襤褸の隙間から様子を覗けば、怒りに眉を吊り上げた天竜人の顔が目に映った。


ここまで来たら、五条先生のわがままの方がまだ可愛い。




「こいつに手錠をかけるんだえ!」

「承知しました」

「おい、そこのお前、そのきったない布を取るんだえ!
命を見逃す代わりにわちしのドレイにして死ぬほど辛い思いをさせてやるんだえ!」

『あ?』




いいことを思いついたと言わんばかりにぷくくと笑みを浮かべる天竜人に思わず低い声が漏れる。

そのお粗末な耳には届かなかったらしく、その代わり手錠を持った側近の男が「失礼だぞ!」と怒鳴ってきた。


けれど、そんなことより気に食わない。
なんで私がこんなやつのために頭を垂れねばならないのか。




『誰が、誰の何になるって?』

「生意気な口だえ。


お前が、わちしのドレイになるんだえ!」




『__バカらしい』

#→←死にたがり



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改革 - 面白かったです。イラストも綺麗で感動しました (4月18日 9時) (レス) @page50 id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2022年12月26日 21時

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