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生まれた星 ページ25



「__A」




ふとエースさんに呼ばれ顔をあげれば、彼の三白眼がこちらを見据えていた。

痛々しい傷跡の処置もされないまま、どれほど時間が経っただろうか。
視界にはうるさい程の赤が散らばっていた。




「ひとつだけ、聞いていいか?」

『…どうぞ』

「…気を利かせたりなんてしなくていい、正直に答えてくれ」




楽しそうに冒険の話や私と同い年の弟の話をする時とは違う、いつになく真剣な表情のエースさんに、私も深く顎を引き肯定の意を見せる。




「もし、世界最悪の犯罪者が子供を残していたら、お前はその子供のことをどう思う?」




伏せられた彼の横顔は少し長い髪のせいで見えなくて、けれど震える声が彼の不安を十分表していた。


簡単なようで難しい質問。
すぐに浮かんできた言葉はモラルに基づいて植え付けられたような模範解答で、それはエースさんが望んだ私の本心(解答)じゃない。


黙り込んだ私がエースさんの望む答えを提示するため模索していると勘違いでもしたのか、彼の眉根にシワがよった。




「変に考えなくていい、その子供が憎いか、憎くないかのどっちかでもいい」

『__ああ、それでいいなら、』




すぐに答えは決まった。エースさんの不安に揺らいだ瞳が向けられる。




『場合によりますね、それは』

「…は?」




エースさんの素っ頓狂な声が漏れる。
どちらか一方の答えを身構えていたのか、イエスかノー以外の答えを出されたからか、それは分からないが、間抜けなその顔にふっと笑みが漏れた。




『だって、その犯罪者の息子は自分になんにもしてないんですよ。

その子が自分に友好的なら私も友好的に接するだろうし、反対に敵対視してくるのなら…ああ、あと無関心でも、私はその子のことを嫌いますかね。何様のつもりだって。

まあとどのつまり、ちょっとは罪悪感を抱いてた方が可愛いってことです』

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改革 - 面白かったです。イラストも綺麗で感動しました (4月18日 9時) (レス) @page50 id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2022年12月26日 21時

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