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絶対的とまでは行かずとも、少なくとも自分の基準のひとつに五条先生があった私には、彼が封印され、ましてや存在しない世界に飛ばされたのはかなりの痛手だった。


右も左も分からない、何も知らない未知の世界で私が価値観として縋るしか無かったのは、世間一般的な倫理観。

それなら、揺らぐはずがない。あの人がブレることがなかったように。




「…まあ良い。

そうさな、それを基準に生きるというのならば…まずは目の前の問題をどうにかしてこい。
死にそうになったら手助けくらいはしてやる」




そう言って件の鋭い爪が生えた指先が示す先は何も無い。
けれどそれは間違いなく、これから地獄と呼ぶに相応しい未来を指し示していた。




「どこにいても運に恵まれない依り代じゃな。
…真逆、自分から地獄を選びに行くとは」

『私だって行きたくて行ってる訳じゃない』




ムッとして言い返せば、カラカラと楽しそうに笑った件がその双眸を細めた。



少しずつ意識が落ちていく。
重たい瞼に逆らえず一度瞬きをした時に見たのは、視界一杯に広がる白装束。

温度を感じない誰かの腕が私の体を抱きとめて、どこか懐かしさを感じる声で私の意識に蓋をした。




「余は依り代に嘘はつけん。
これは、約束じゃ。



__もう二度と、其方を傷つけないと誓おう」





暗転_____

人を殺して死ねよとて→←#



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改革 - 面白かったです。イラストも綺麗で感動しました (4月18日 9時) (レス) @page50 id: bf669bb16c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なぎしば | 作成日時:2022年12月26日 21時

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