4人のスタンド使いに惚れられた女の子終結 (ページ10)

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〜露伴〜

僕達の関係は普通の恋人より、ほんの少し歪だ

彼氏彼女だけでなく、漫画家とファン

本来なら越えられる線に尻込みして、一歩が踏み出せなくなる

それはついさっきまで、だが

未成年に手を出すのは法律で禁じられているため、僕が出来るのはせいぜいキスぐらい

｢ろ、ろは……ん、せんせ……さん｣

今までずっと露伴先生と呼んでいたAは僕を露伴さんと呼ぶのに抵抗があり、慣れる気配はない

そんなとこが可愛くてつい意地悪をしたくなる

Aにはまだ早い大人のキスをすれば、女として強く意識させられるよくな顔を見せる

この顔をスケッチしたくてたまらない

Aの“リアリティ”を残したい

そう思うのに、脳内に焼き付けるだけで満足な自分がいる

あぁ、違う

Aは漫画家ではなくて、男としての僕を好きになってくれたんだ

だったらAといるときは、何者でもない

露伴｢次の休み、デートに行こうか。取材じゃなくて、Aの行きたいとこ｣

｢でも、原稿……｣

露伴｢そんなの、その日までに仕上げる。Aとの時間を大切にしたいからね｣

｢どこでもいいんですか｣

露伴｢もちろん。何なら外国でもいいよ。でも、それじゃ休みが足りないか｣

本音は、Aと一緒なら僕はどこでもいい

｢私は……露伴さんが一緒なら、どこでも。きっと楽しいですから｣

はは、まさかAも僕と同じ考えだったとは

露伴｢本当にないのか。行きたいとこ｣

軽い計画を立てておこうと思ったが、ないなら仕方ない

適当にブラついて、気になった場所に足を運ぶとしよう

露伴｢ねぇA。君の余白(ページ)に一つだけ書き込みたいことがあるんだけどいいかな？｣

あの日を境に、ヘブンズ･ドアはまたAを本にすることが出来た

きっとあれは邪神がAを手放したくなくて、誰にも取られたくなくて、Aを守っていたんだ

やり方は褒められたものではないが、異形の怪物はAを愛していた

ただ純粋に、僕達と同じように

僕はその人の人生からリアリティを奪い、偽物になってしまうのが嫌で書き込むのは好まないが、これは僕の願いでもある

僕を好きだと認識したページに一文｢岸辺露伴だけを愛する｣と書き込んだ

僕の人生からAがいなくなるなんて、あってはならないことだから

縛り付けてでも側にして欲しい

岸辺露伴～完～