吉良吉影 ページ16
〜A〜
吉良｢わたしが言うのも何だけど、Aはド変態だよね｣
テーブルで頬杖付きながら、まじまじと私を見つめる
｢何がですか｣
吉良｢普通、あんなことをした男に好意を抱くなんて、ありえないと思ってね｣
そんなの私だって分からない
あんな酷いことを平気でしてしまうような、最低な人のどこに惹かれる要素があったのか
吉良｢ま、わたしとしては嬉しい限りだけどね｣
性癖を隠さなくなった吉良さんは私の手を取っては、恍惚した目で指を舐め始める
ゾワッとするよりも先に手を引っ込めた
ほんと何でこんな人好きなの
吉良｢ダメだよA。わたしを選んでくれたのなら、わたしの趣味も理解してくれないと｣
｢嫌です！絶対！！｣
これを受け入れなければいけないのなら、私は吉良さんに合わない
そもそも吉良さんを好きかどうかも怪しいのに
吉良｢でもねA。休日に、自分を好いている男の家に平然と上がり込むなんて、そういうことを期待しているとしか思えないのだが？｣
｢なっ……////｣
綺麗な顔で不敵な笑みを零す
吉良さんは私を抱き寄せては遠慮なく唇を重ねてくる
吉良｢A。口、開けてごらん｣
耳元で囁かれると、つい従ってしまいたくなるけど、そんなことになったら次の行動が目に見える
突き飛ばして距離を取るも簡単に詰めてくる
吉良｢どうして逃げるんだい？｣
｢嫌だからです｣
吉良｢何が？｣
｢だから……！！そういうことするのが｣
吉良｢そういうこと、とは？｣
絶対わざとだこの人
分かってるくせに分からないフリをして、私に言わせようとする
吉良｢ああ、もしかして。わたしと同じことを考えているのかな？｣
｢っっ！！/////｣
反応したら思うツボなのに、そういうことを思い出すだけで自然と身体が熱くなる
吉良｢どうする。ベッド行くかい？｣
背中がドンと壁に当たる
逃げ場がなくなった
顎を持ち上げられ、重ねるだけのキスは舌が絡み、段々と激しくなる
前と同じで無理やりなのに、なぜか今はそれほど嫌ではない
足の力が抜けて立っていられなくなると、それを狙っていたのか軽々しく抱き上げられた
吉良｢怖がることはないよ。こういうのは慣れ、だからね｣
単純に男と女の力の差で適うわけもなく、抵抗虚しくベッドに降ろされる
吉良｢午後からはデートの予定だから軽めにするつめりだから、わたしを煽らないでくれよ？｣
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作者名：まゆ
| 作成日時：2023年7月20日 23時
