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「あ、冨岡さんだ」
「……Aか」
帰ってきたら、何故か邸の壁を凝視したまま固まってる冨岡さんがいた。
「どうしたんです？」
「……てんとうむし」
「……へー、もうそんな季節ですか」
まぁてんとう虫は半年以上活動するからね、季節とかそういうの別に感じないんだけど。
なんて反応すればいいかわかんなかったんだよ
「そういえば今日、鮭大根作る予定なんですけど、良かったら食べてきます？」
「食べたい…………………が」
「……？」
ああ、師範か。
師範は冨岡さんのこと嫌ってるからなぁ。
「師範なら、数日前から長期任務でいません。大丈夫です、朝まで飲み明かしましょう！」
「………お前は、未成年だろう」
「鮭大根の煮汁、美味しいですよね！」
「………なるほど」
＊＊＊＊＊＊
「冨岡さん、少し相談があるんですけど」
「なんだ」
「私って柱になった方がいいんでしょうか」
鮭大根を作ってる間、待たせてしまってる冨岡さんに、ここ数日考えていたことを告げる。
「宇髄さんに言われたんです、お前は柱になるべきだって」
師範が長期任務に行ってから、音柱邸に招かれた。
片腕片目を失った宇髄さんは柱を引退した、それで空いた空席を埋めるべきだと。
「Aは強い、柱になっても問題はない」
「それは、そうかもしれないですけど」
「むしろ、何を悩んでいる？」
「うーん」
一つは、柱合会議の時も思ったけど自分の幼さ、一般常識の無さ。
もう一つは
＿＿＿＿此奴は、子供だ
「師範と離れること、ですかね」
「なら、離れなければ良い」
「へ？」
「柱になってもこの邸に居座ればいい」
「………天才ですか？」
そっかその手があったか。
柱になっても師範を師範って呼べばいいし、この邸でうどんを作り続ければいいと。
そうすれば今と何も変わらないままだし。
「わかりました、私、柱になります」
「そうか」
丁度出来た鮭大根をお椀によそう。
「なら、御館様には俺から伝えておこう。早く伊黒に伝えるといい、あれでも彼奴はお前を大事に思っている(はず)」
「……冨岡さん」
そのままお椀を運んで、冨岡さんの前にコトリと置いた。
「(師範は嫌ってますけど)私、冨岡さんのこと好きですよ」
「……！」
「冨岡さんってそんな顔もするんですね」
冨岡さんの顔が輝いたのは、鮭大根のせいか、はたまた私の言葉のせいかはわからない。
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桜舞(プロフ) - あぁごめんなさい！訂正しておきます、ありがとうございます！ (2021年5月3日 9時) (
レス) id: faa91006d3 (このIDを非表示/違反報告)
小桜＠SOS同盟 - 初コメント失礼致します。あの、11話の煉獄さんの訃報のシーンなんですけど、弐ではなく、上弦の参です。 (2021年4月29日 11時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜舞 | 作成日時：2021年3月18日 12時
