５１話 ページ3
カラりと障子を開けば布団も敷かずに畳の上で寝ている亀甲の姿が目に入った。
痛みを感じていないからか寝顔は綺麗なものだねェ…
３人そろって部屋の中に入っては亀甲を起こしてしまわないように、隅の方で固まることにした。
「亀甲、寝てるけど…どうしようか？」
「……寝てる間に手入れだけでもやっておくのはどうばい？」
「まァ…それが一番かもしれぬな、主よ。亀甲が断るとは思えんが、後々拒否されてけがが悪化してもらっても…のう？」
確かに……亀甲が歩いた道に点々と赤い液体があるというのは流石に此方も気が滅入る…寝ている間に悪いが手入れをさせてもらう事にしよう。
ま、よくよく考えたら起きて傷が無い方が寝起きは良いものだし。
―――――――キシッ
「ッ！？誰だ！」
「うぉっ！？」
博多に手入れ道具を持ってきてほしい、と指示を出そうと思った瞬間に、本当に微かにではあるが床のきしむ音がした。
思わず大きな声を出してしまって、相手もそれに驚いたのか少し太い声が聞こえる。
障子に目を向ければ、端から影がひょこりと姿を現したが、その場に何か箱のようなモノを置いて早々に消えてしまった。
今のは…
「Aっ、俺があの箱見てくると？」
「否、アタシがみてくるさね。そこの襖の中から一組布団をだしといてくれ。小鳥もだ。」
「うむ、あい分かった」
多分今来た子に敵意はない。ならば、此方も変に警戒してしまっては相手に失礼だろう。
その心内を読んだのか、小鳥は小さく頷いて博多と共に布団を出すために立ち上がった。
その様子をしり目に、部屋の障子を開いて右に視線を移せば箱と何かの紙。
「……こりゃ、手入れ道具の箱…？此方の紙は、」
『好きに使え』
の文字。
･･･本当に優しい子も居るもンだ……有難い。
ちらりと箱を覗いてみれば、何時も手入れに必要なものから、袋に包まれたお菓子が数個。糖分補給にものすごく役立つ…手入れには体力使うから。
「ありがとね、刀剣さん」
そう呟けば、近くの曲がり角から誰かが足音を殺しながら走り去る気配がした。…随分と恥ずかしがり屋な刀剣さんだこと。
ふぅ、と小さくため息を吐いては部屋に戻る。
部屋ではきちんと布団が整えて会って、亀甲が目を覚ましていた。
「すまないね、寝てしまっていたよ」
「別に大丈夫さ。此方こそスマン、大声出しちまって。起こしちゃったろう？」
そう聞くも、亀甲はそんなことない、と首を横に振った。
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病蛟(プロフ) - 勇者の人さん» お褒めの言葉をいただきありがとうございます…自分自身も楽しみ、かつ読者にも楽しんで感動して頂けるような小説をモットーに書いていますので、とてもありがたく思います。体を気にかけていきつつ投稿させていただきますので楽しみにしていてくださると幸いです。 (2021年9月22日 21時) (
レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
勇者の人(プロフ) - 文章が綺麗でとても読みやすく、読んでいて感情が揺さぶられたりと素晴らしい作品ですね。応援しています、これからも無理しない程度に頑張ってください。 (2021年9月22日 2時) (レス) id: 0ba614db75 (このIDを非表示/違反報告)
病蛟(プロフ) - もっちーさん» 一期一振に関する誤字を教えていただき有り難う御座います。修正作業に取り掛かります故…これからもこの作品をどうぞよしなに、楽しめるような続きを投稿させていただきます。 (2021年9月11日 22時) (レス) id: 1220734e66 (このIDを非表示/違反報告)
もっちー(プロフ) - はじめまして！続き楽しみに待ってます！！それと一期が一護になってます! (2021年9月11日 19時) (レス) id: 5828451b09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2021年8月18日 23時
