君はイジワル

垣間見る ページ17

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ガタガタガタ…




こ、怖いよぉ。




助けて横尾さん。。





「おい。チビ。」



ビクゥっ




「っやだやだやだ！！やめろやめろ！近づくなぁ！！」




「っちょ、おい、落ち着け！俺だよ！！」



必死にバタバタして抵抗したけど、よく見るとそこにはもうたいすけしか居なかった。




「あ、あれ？」




「はぁ、たく。……コロっと騙されやがって、バカかよ」



……1回目に騙してきたお前に言われたくねぇ！！



怖かった。
今回はまじで、ダメだと思った。


でも、助かったんだ。


また、助けられたんだ。



そう思うとじわっと目に涙が浮かぶ。
目尻にたまった雫は溢れ出して涙となってぽたぽたと床に落ちた。




「？！？！」



ぎょっとしたあいつの顔。




「うっ、うぅぅう〜、ぐすっ、ぐすん、」




「お、おい、、何も泣く事ねぇだろっ？！」



珍しくあいつが目の前でオロオロとしてる。
ごめん、わかんないけど、止まんないんだもん。




「うぐっ、だっで、だっでぇ〜、だいずげぇ、ありがどぉ〜！」



「っ！」



そのままそいつの胸元にぽすんと顔を埋めて抱きつく。




「お、おいっ、鼻水つけんな！！」






ぐじゅぐじゅの顔をあげてあいつの顔を見る。



涙は相変わらず止まりそうにない。



「…泣きやめよ。」









べろんっ









ぱちくり。









俺、今あいつにほっぺ舐められた。



驚きの行動にピタッと涙が止まって、ポカンとする。




「ふっ、マヌケ面…笑」



そう言って、たいすけはいつものちょっと意地悪な顔になる。



嫌なはずなのに、今はなんだかすごく安心する。




「はぁ…お前1人にしとくと危なっかしいから、ここで見張っててやる。ゆっくりおネンネしろよ。」




言い方はキツいのに、、なんだか温かみがある言葉だ。




くるんっとしっぽで俺を包んでくれた。


あったかい。ふさふさだぁ…、ふぁ…ねむ。。





「たいすけ……まもってくぇて、ありがと……すき……」



「っ、はぁ？！/////」



ほかほか毛布みたいなしっぽに包まれて、
俺は今日、、こいつのちょっとした優しさを垣間見た。。




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「ばぁか。お前は俺にだけイジめられてたらいいんだよ。」






そんなあいつの言葉は、
泣き疲れてぐっすり寝ていた俺の耳に届く事はなかった。


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