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グラタンをスプーンでひとすくいして、
フーフーと息を吹き掛ける。
ちょこっと唇にグラタンを付けて、温度を図る。
俺にはぬるいかなー、くらいが調度良い境目。
絶対に、みっちゃんに同じ思いをさせてはいけない........。
渉「はい......みっちゃん。」
宏「...........。」
まだ少しトラウマがあるのか、不安そうに上目遣いで俺を見てきた。
渉「....大丈夫だよ。ねっ？」
そんな俺らのやり取りを、他の兄弟が固唾を飲んで見守っている。
宏「............。あ〜。」
ひとしきりチェアの上でもじもじしたかと思ったら、ゆっくりと口を開いてくれた。
その可愛いお口の中にゆっくりとスプーンを差し入れ、みっちゃんの口内にグラタンを迎え入れる。
宏「..........もぐ......もぐ....っ！！
......おぃちぃ〜〜〜〜〜♡」
熱さがないおかげで、しっかりグラタンを今度こそ味わえたみっちゃんは、途端に幸せそうな顔になって、そう叫んだ。
宏「.....わーくん！、ぐやたん....とってもおーちぃ！！！みっくん、こぇ......しゅきっ！」
.........ああ〜、良かったぁ〜〜！
どうやら無事に、みっちゃんはグラタンの味を気に入ってくれたみたいだ。
その様子にみんなもホッとした顔をして、
やっとそれぞれの夕飯に手をつけた。
渉「みっちゃんが気に入ってくれて良かったよ.....。はい、みっちゃん、あ〜ん。」
宏「.........あ〜。......くふふ♪おいちっ♪....もっとたべゆっ！」
そうしてみっちゃんは、きちんと味わうのは初めてのグラタンをそれはそれは嬉しそうに、すべて平らげてくれたのだった。。
徐にみっちゃんが
「わーくんにもたべしゃしぇてあげゆっ！」
と言って、俺の分をスプーンですくうと、俺らの真似して頬をぷっくり膨らませて、フーフーしてくれたんだけど......。
下唇が突き出てすぎて、吹きかけた息はすべて自分の顔の真上にふりかかり、前髪がぴょいん、ぴょいんと上げ下げしていた。
それでも満足気に俺にグラタンを差し出すから、躊躇なく口に含んで口の中を火傷しまくったのは、言うまでもない。。
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作者名：フェアリーちぇ | 作成日時：2020年5月11日 10時
