いつか居なくなるあの子の話【SEVENTEEN】

ある人は ページ28

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「…………、」





画面に表示される、見るに耐えない言葉。







“紅一点とかふざけてる、受け付けない”



“絶対メンバー狙ってるだし、よりにもよって日本人なのが余計頭にくる”



“一々不安そうな顔するのやめて欲しい。か弱い女子って感じが腹立つんだけど”






…………これも想定内のことで、その上で決められた戦略だった。


むしろこれを、期待していた。




あの子によってアンチでも何でも、とにかく注目が集まり、グループに注目が集まることを。

結果的に、グループの売上に繋がることを。










「これは……………、」








今さら、気づいたのだ。



こんな莫大な批判を、あの子一人に背負わせるのは少し、違うのではないかと。

あの日、有無を言わせず頷かせておきながら、自分勝手なことに。






この重く冷たい、鎖のような言葉たちは、幸いなことに私に向けられたものではないけれど。


あの子には、まっすぐに降りかかっているんだ。








そう考えると今になってようやく、少し不安になってきた。


少しの罪悪感と焦燥が込み上げてきた。

もう遅いことも、偽物みたいな正義感だということも、分かっている。



私は自分の手元から、視線をあげた。










この部屋には誰もいない。


ただ月明かりが、私のデスクを照らしている。










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あの子を出来るだけ早く、この華やかで冷たい世界から逃がしてあげなければと、一人勝手に考えなおしていた。






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