JN ページ25
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JN「A………?」
………正直言うと、
今目の前で涙を堪えてるAのためじゃなくって、ただただ自分のために、このちっちゃい手を引いた。
ちっちゃくて頼りなくって、少し冷たい手を握ったそのときは、もう身体中が沸々として仕方なかった。
『ごめん、大丈夫……』
JN「………A、」
俺にはこの子が白い目で見られるのが、
気に食わなさそうに目をつけられているのが、
こそこそとありもしない噂話をされているのが、
耐えきれないくらい寂しかったから。
いつもよりもっと暗い顔してるAを見るのも、ものすごく悲しかった。
JN「……ヒョンたちのところ戻ろう?急に抜けてこんなとこまで来ちゃったから、ヒョンたち心配してるよ」
『うん……、うん、そうなんだけど………』
だって、僕らはもうこうやって、仲良くやっているのに。
“周りからしたらただの、紅一点という異物なんだぞ”って、そんな考えがあの目線からひしひしと伝わってきて。
仲間だと思っているのは僕らだけで、Aは対して僕らが好きじゃなかったらどうしよう。
せっかく仲間になったのに、たまに笑ってくれてたのになあ。
この先笑ってくれなくなったらどうしようかって、ちょっと焦ったりもしたんだよ。実は。
…………でも、なんか。
『あはは……、ごめんね、もう大丈夫だから、戻ろっか』
JN「……ほんとに?」
『うん、早く戻ろうよ。スンチョルさんに怒られちゃう』
これはただの直感だけど、
結局涙を堪えて俺の手を握りなおしたAに限って、そんなのは有り得ない気がする。
Aだってきっと、僕らが好きなんでしょ?
そうじゃなきゃ、こうして辛くても涙を我慢して立ち上がる必要はないし、
僕の手を、そんなに大切そうに握らないんだよ。きっと。
そう思うと自然に心が晴れやかになって、俺はもう一度Aに向き直ってから足を進める。
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JN「…………いや、あのヒョンたちに限ってAを怒るなんてないよ。だからやっぱりさ、ゆっくり帰ろ?」
『えぇ、怒らないのは嘘だ……』
JN「ほんとだよ!ヒョンはAのこと大好きだもん、知ってるでしょ?」
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『……あはは、それ、本当だったらいいなあ』
JN「……だから、ほんとだって!!」
『はは、じゃあゆっくり帰ろうよ』
……そのときのAの笑顔の可愛いさは、ヒョンたちにだって教えてあげない。
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レプリカ - りんさん» ほんっとに返信が遅れてしまいましたすみません…笑!!ニヤニヤしながら応援してくださるんですね、じゃあ私はニタニタしながらお返事を書かせて頂くことにします(?) (2022年12月17日 15時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
レプリカ - なのこ5546さん» 時間に余裕がなく、お返事遅れてしまって申し訳ありません!本作品を楽しんで頂きありがとうございます!!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いしますね!!笑 (2022年12月17日 15時) (レス) id: 0820e3db89 (このIDを非表示/違反報告)
りん - 主人公ちゃんが可愛すぎてぷくぷくではないですがニヤニヤしながら応援しちゃいます笑笑これからも主人公ちゃんもレプリカさんも応援してます。無理をなさらずお身体にお気をつけください。 (2022年12月12日 12時) (レス) @page30 id: 0c8a3b5b52 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - こんばんは!なかなか無い設定なのでとても面白かったです!主人公ちゃんが少しづつメンバー達と距離を詰めていく感じが堪らないですっ!!これからも更新楽しみにしています頑張って下さい! (2022年12月11日 20時) (レス) id: 88c8eec9ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レプリカ | 作成日時:2022年12月3日 0時