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「風磨くん、体調悪かったんだね」
「隠してたから、健人くん怒ってたのかな?」
「うぅ〜ん…」

そこらへんは、なんとも…
あの感じ、それが正解っぽいけど…
そんなふうに二人で廊下を進んでると、曲がり角の先から大きな足音が聞こえて。
もしや、と足を止めると、やっぱり現れたのは健人くんだった。
風磨くんの予想通り、かなり素早い。

「お、二人とも。菊池は?」
「ソファーで休んでるよ」
「僕たちは先に行ってろって」

そっか、と頷くその手には水のペットボトルと市販の風邪薬が握られている。
健人くんが急いでいるのはわかったけど、意を決して口を開いた。

「健人くんは、いつ気づいたの?」
「なにが?」
「風磨くんが体調悪いって」
「いつ、って、楽屋に入ってきたときだけど」

ほんとにそんな最初から!?
そりゃ、今日の風磨くんは最初から黙りこんでで不機嫌そうだったけど。
それが体調不良ってなんで気づけるの?
どこが違ったの?と混乱していると、聡も疑問だったらしい。
よく気づいたね?と恐る恐る尋ねた。

「や、あいつ入ってきたときからめっちゃつらそうだったじゃん。オレもさ、おとなしくしてたらよくなるのかな?と思って様子見てたけど、着替えてメークしてってどんどん顔色悪くなってくし。なのになんも言わねぇし。我慢しすぎなんだよ」

なあ?と同意を求められたけど、僕と聡は曖昧に頷くことしかできなかった。
だって、つらそうだなんて思わなかった。
顔色もそんな変わったなんて…いやでも、変わっていたのか?
わからない。
僕たちにはまったくわからない。

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水城(ミズシロ)(プロフ) - あふいさん» コメントありがとうございます。最近更新できていませんが、続きができたときはよろしくお願いします。 (2021年10月18日 19時) (レス) id: 5d8211fb4f (このIDを非表示/違反報告)
あふい - 面白いです❗ (2021年10月18日 16時) (レス) @page14 id: 3848730b13 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城(ミズシロ) | 作成日時:2021年3月7日 23時

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