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「恐ろしい…」
「あ？なんか言った？」
「いえ、何も。ってか、風磨くん。スタッフさんに伝えに行くのは大丈夫だと思いますよ」
足が向いている先は、見覚えがある。
たぶん、っていうか絶対、健人くんと同じことをしようとしているんだろう。
僕の言葉に首を傾げかけた風磨くんは、ハッとすると思い至ったのか頬をぽりぽりと掻き始めた。
「あー…中島？」
「はい」
「あー…」
オレの深い頷きに、同じ言動をしたと悟ったのだろう。
風磨くんは照れくさそうに笑うと、「じゃ、やめとく」と向かいかけた足先をこちらに戻した。
その向こうでは、健人くんとスタッフさんが話し合っている姿があり、ふと健人くんがこちらを見てきて。
僕の近くにいる風磨くんに気づいたようだったので指でOKサインをすると嬉しそうに笑った。
それからすぐにスタッフさんに話かけ直したから、風磨くんからのOKが出てると伝わったんだろう。
…まぁ、正確には、僕がそれぞれから同じことを伝えられただけで、許可を取ったわけではないんだけど。
意味的には同じだし、話し終われば全体に共有されるはずだ。
だって、うちの２人が揃って良くなるって思った部分だもの。
採用されないはずがない。
「なんか、同じ話を２度聞かせて悪かったな」
「あ、いえ、大丈夫です」
なんていうか、奇跡を見た気分なんで。
その言葉を飲み込んで、笑いあったところで、僕たちを呼ぶ声が聞こえた。
思ったより、早い。
きっと、リハの再開と変更が正式に伝えられるんだろう。
息が合うだけじゃなく、考え方までシンクロするなんて、シンメって本当に不思議で恐ろしい。
＊ END ＊
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水城（ミズシロ）(プロフ) - あふいさん» コメントありがとうございます。最近更新できていませんが、続きができたときはよろしくお願いします。 (2021年10月18日 19時) (
レス) id: 5d8211fb4f (このIDを非表示/違反報告)
あふい - 面白いです❗ (2021年10月18日 16時) (レス) @page14 id: 3848730b13 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水城（ミズシロ） | 作成日時：2021年3月7日 23時
