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「っ!」
「こたつの中で、さ?」

こたつからでて、水に触れたであろうその手は、まだ指先がひんやりとしていた。
意図に気付いたたまは、顔を赤くして。
にこにこしながら待っていると、たまがごそごそと右手をこたつの中に入れてきて、オレの手に触れてくる。
たまの冷えている手をぎゅっと握り、じわじわと熱を感じ始めた。
こたつの中で、繋がれた手。
見えないせいか、ただ手を繋ぐよりも恥ずかしく感じた。
でも、幸せ。

「…熱くない?」
「え?」
「電気ついてる真下じゃん」
「んー…たまが、いいなら、もう少しこうしていたいな」

照れたのか、たまが顔を俯かせる。
だけど、繋いだ手を離そうとはしなくて。
それがすごく嬉しい。

「あ」

ふと視界に入った時計を見ると、日付が変わったところで。
テレビから、新年の挨拶が聞こえてくる。
年が、明けたんだ。

「あけましておめでとう、たま」

いちばんにたまに伝える。
たまははにかんだように笑うと、同じように返してくれた。

「あけましておめでとう」
「今年もよろしくね」
「うん、よろしく」

新しい、年。
いちばん大切な人と迎えられる幸せ。
そして、この年の終わりと、次の年の始まりも。
こうやって、迎えられたらいいな、と。
こたつの中でたまの手をぎゅ、と握ると、思った。





* END *

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水城(ミズシロ)(プロフ) - ののさん» コメントありがとうございます。宮玉いいですよね!ペースはゆっくりですが、また宮玉を書いたときはよろしくお願いします。 (2021年5月28日 0時) (レス) id: a6284d663f (このIDを非表示/違反報告)
のの - すごい!宮玉見たかったから最高でした! (2021年5月27日 22時) (レス) id: f66df2d363 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水城(ミズシロ) | 作成日時:2021年1月1日 1時

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