すとぷり 小説書きました。

吸血鬼？22話 ページ36

治らない・・・。

じゃぁ、莉犬は治ってないの！？

「何で治らないんですか！？」

「魔病は、簡単に治るものじゃない。莉犬くんはきっと嘘をついたんだね・・・」

莉犬は何でそんな嘘をついたんだ。

僕に何で治ってないって言わなかったんだ。

「・・・」

僕がこわばっていると、なーくんがゆっくり背中をさすってくれた。

「莉犬くんはるぅとくんが好きなんだ。だから、きっとるぅとくんに心配をかけないように。秘密にしたんだと思うよ・・・」

「本当に？莉犬は治ってないの？」

「・・・多分ね・・・」

「なーくん」

「ん？」

「ありがとう。本当にありがとう・・・」

「うん。じゃぁ、行ってらっしゃい」

「はい！」

僕は走った。走って、走って、走った。

「莉犬！！」

「るぅとくん！？どうしたのそんなに走って！」

「莉犬。大好き。大好き・・・本当に大好き・・・」

僕は莉犬を抱きしめた。

「ちょ！るぅとくん！？」

「大好きなんだ・・・本気で好きなんだよ・・・」

莉犬。莉犬・・・。莉犬・・・。生きてて良かった。

さらに強く莉犬を抱きしめた。

「そんなに強く抱きしめないでよ・・・くすぐったい・・・」

ごめん。あのとき何も出来なくてごめん。

僕がダメなやつでごめん。

助けてあげられなくてごめん。

あのとき好きって言えなくてごめん。

ごめん。ごめん。

莉犬が好き。好き・・・。

「莉犬！僕・・・」

『僕がるぅとくんを守るからさ！』

何で、どうして？

莉犬が好きだって分かったのに・・・。

どうして出てくるの・・・。

『俺待つからさ！るぅとゆっくり考えてくれ！』

答えが消えていく・・・。

怖い。僕が答えを消してしまう。

「るぅとくん・・・。るぅとくんはもう僕じゃないんだよ・・・」

莉犬？

「それに、僕ももうるぅとくんじゃないんだ。うん。もう、違う・・・」

笑ってる。莉犬。

「だから、俺からの告白無かったことにして！」

莉犬はいつも人のことを第一に考える。

これが嘘だって分かってる。

でも、これで莉犬が救われるなら・・・。

「莉犬。ありがとう・・・」

君を好きになって良かった・・・。

城に戻らなきゃ！！

「・・・。大好きだったのに・・・なーくんどうしてくれんの？」

「どうもしないよ？これからはもっと好きになれる人を見つけることだね！」

「はぁ。なーくんって以外と人任せだよね？」

「そうかな？」

「あーあ。初恋だったのに・・・。幸せになってね。るぅとくん・・・」

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