すとぷり 小説書きました。

吸血鬼？１４話 ページ20

「あれは、夢だったと思っています。だって、死んだ人が話し掛けてくるはずもないですから・・・」

「僕は夢だとは思わないよ？」

ころちゃんは、僕をまっすぐ見てそう言った。

「だって、現に僕は吸血鬼。人の血を吸うんだよ？なのに今更幽霊がいないと思うのもおかしな話だよ！」

これまた正論。僕はいま吸血鬼といると改めて思った。

「るぅとくんはまだ、莉犬くんのこと好き？」

「・・・正直今は分かりません。でも確実に好きだったという事は分かっています」

だって、ころちゃんの笑顔に僕は惑わされるから・・・。

「僕のことはまだ好きじゃないんだよね？」

「それは・・・」

分かりません。好きではないと言えない。でも、好きとも言えない。

「うーん。じゃぁ。さとみくんと僕だったらどっちが好き？」

「え？えーっと・・・」

これも難しい質問だ。さとみくんは優しくて僕のことを考えてくれる。それに、かっこいい。

ころちゃんも優しくて僕を好きと言ってくれた。そして、ころちゃんは、かわいい。

「どっちも好きです！」

「るぅとくんはまだ、浮気するわけ？」

「付き合ってません！」

「はぁ。この前、僕がるぅとくんの血を吸ったでしょ？あれって、僕のものって言うことなの教えたよね？」

「僕は物じゃないです！」

そう言うところちゃんはニヤッと笑った。

「でも、俺の婚約者ってことにはなるんだよね〜」

「は？」

僕は頭が追いつかなかった。婚約者？結婚するってこと！？

「嫌です！嫌です！無理ですよ！急に結婚なんて！」

「まぁまぁ。落ち着いて！大丈夫。これはある意味魔除けだからさ！」

「魔除け？」

「うん！明日から学校が始まるでしょ？その時に変な奴らに絡まれないための魔除け！」

変な奴らってどういうことなんでしょうか？でも、魔除けと考えれば・・・。

「まぁ！一ヶ月に二回血を吸わなければ、完璧な婚約者にはなれないし！それに、隠しとけば良いんだよ！」

「待ってください！一ヶ月に二回ってことは、一回は必ず僕の血を飲むんですか？」

「？もちろん！だってるぅとくん！美味しいからさ！」

「き、気持ち悪いです・・・。変態！！」

「な！それはさとみにだけに言っとけ！僕は変態じゃないもん！」

ころちゃんは顔を膨らましてすねた。僕は笑っていた。

・・・明日から、学校が始まる。僕には体験したことのないことばかりだと思う。

だからこそ、僕は今日けじめを付けたんだ。

気合を入れて。

「行ってきます」

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