笑顔のキミが好き【千】

僕の気持ち　２〜千side〜 ページ6

会いたいはずなのに会えないんだ。
Aが忙しくなるからとかいう理由じゃない。

僕が嫉妬する位仲が良かったのに。

振られる痛さを知っている。
だからそれ以上は言わなかった。

Aの好きな人。


･･････知りたい。


・

モモの誕生日を祝うので、僕の家に２人が泊まることになった。
おかりんが３人揃ってのオフをとってくれた。

今年は僕の家にオーブンもあるから、全て僕の家で作ることが出来る。

今年はAにナッペしてもらおう。
大学が終わったら来るのだから、きっと出来る。
後はモモとA用に肉を買って、モモが好きなすき焼きにしよう。

材料を一通り買って家に着く。

モモは家に何回か来たことがある。
モモの物が増えた。

Aのも増える？

一年に一回のお泊まりだから、そんなに増えない？
でも普通に遊びにはくるはず。


･･････好きな人と、どうにかなったら来ない？


瞬間、言いようもない苦しさが襲う。

聞くんだ。
今日。

僕の気持ちにきちんとけじめをつける。

モモが身を引くと決めたように。

・

僕の家を知らないからと、Aを迎えに行ったモモが、ヤスの格好をしたAを連れて帰ってきた。
Aだと噂されると理由に困るからだと言う。

モモの誕生日を祝って、食事して、順番にお風呂に入る。

「ユキ！Aの髪の毛、一緒にドライヤーで乾かそう！」

『え。自分でやるよー。』

「時間かかるでしょ！長いんだからさ！」

モモに言われて、Aの髪の毛を乾かす。
Aは照れたように笑ってお礼を言った。

サラサラだな。
ちゃんと手入れはしてるんだろう。
間違いなく後ろ姿美人だ。
･･････ヤスは美人だけど。

「A。好きな人って誰？」

ずっと聞きたかったから、聞いた。

「『は？』」

Aだけじゃなく、モモも驚いた顔をした。

『何、急に。』

「モモの事が好きなんじゃないの？でもモモは、Aには別に好きな人がいるって言った。」

Aは目を大きく見開いて呆気にとられていた。

「ちょ･･･っ、ユキ！そういうのは聞き方ってモノが！」

「ストレートに聞いた方が早い。」

「もっとオブラートに包めって言ってんの！」

「じゃあどう聞いたらいいの。」

Aの髪の毛が結構乾いてきたのでドライヤーの電源を切る。
Aが僕の方を見て言った。

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