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96 〜百side〜 ページ46

泡でお湯ん中が見えないことをいい事に、思う存分イチャイチャしてからお風呂を出て、多分照れからくる膨れっ面のAが、フェイスケアしてんのを眺めながら麦茶を飲む。

オレは満足。
Aも受け入れてくれたから、嫌じゃなかったと思うんだけど。
でも、だから一緒にお風呂入んないって言われちゃうのも分かってんだけど。
昨日もしたのにって思われてんだろーな。

「Aが可愛いんだから仕方ないじゃんか・・・」
『なんか言った?』
「いえ!なんも!?」

聞こえない程度に言ったはずの呟きがAの耳に入ったらしい。
いつもよりちょっと低めのAの声にドキーッとして、ピンと背筋が伸びた。

Aのせいとでも言いたいのと言われたら、オレが悪いです!って平謝りするしかない。
いやでも半分位はAのせいじゃない?

今も風呂上がりで色気増し増しだし。

『そういや百、Friends Day前にあるよね。ウェディングの・・・』
「ああ、インタビューとフォト?Aは今日だったよね。どうだった?」
『あ、写真見る?』
「あんの?見る!」

フェイスケアが終わったらしいAがスマホを持ってきて、ソファに座ってたオレの隣に座る。

ふわっとコンディショナーの香りがして、いつもながらにドキッとした。

『マネージャーが撮ってくれたやつね。少ないし表紙とはアングル違うよ』
「沢山あったら困るし良いよ」

Aが写真を表示してくれたスマホに視線を向けながら受け取る。
Aが不思議に思ってるような声を出した。

『困る・・・?』
「うん。オレの隣にその姿でいるA想像して、めっちゃ悶える」

答えるだけ答えて、スマホに目を落とす。

うわ、これもめっちゃ綺麗。
姉ちゃんと一緒に試着した時のドレスとは違うけど、どれもいい。

姉ちゃんと一緒だった時よりはメイクが濃いからか、前よりも似合う。
迷うな〜・・・って、まだだって!Aのドレス選びとか今のオレが言うなって感じだし!

「A、メイク濃いせいかさ、ヤスにちょっと近くなってない?・・・?って、A?」

返事がないから横に視線を移す。
ギョッとした。

Aが静かに涙を流してる。

慌ててスマホをローテーブルに置いた。

「えっ?何っ?どっか痛いの!?誰かに何か酷いこと言われたりされたりした!?思い出した!?」

フルフルと首を横に振るA。
オレがティッシュを手に取ってAの涙を拭く。

Aがオレを指差した。

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作者名:miz | 作成日時:2021年7月3日 9時

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