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『八乙女事務所･･･？』
でっかいビルの前で止まった車。
降りると、見知った場所だった。
『え？八乙女事務所でご飯食べるの？八乙女パパ怒んない？』
「Aも百さんたちと同じ呼び方してんのかよ･･･」
みっちゃんが、呆れたような表情で車のトランクを閉める。
たくさん荷物があるから、私も少し受け取った。
『えー？今更でしょ。私は百と千とは違って、お前の親ではないって言われたことないし』
「それもそれでどうなんだ･･･」
マネージャーさんは、事務仕事が残ってるからと帰って行く。
私たちの帰りはタクシーかな。
そうちゃんが受付の人に、今日予約をしてる事を伝えると直ぐに階数と場所を言われたから、3人でそこに向かった。
どう考えても夕飯食べよう！という雰囲気じゃない所だよね。
むしろいつもやってる、小鳥遊事務所でのお祝いの集まりだとか新年会とかクリスマスとかのイメージに近いんだが。事務所で大勢で食べるって。
というか八乙女事務所と言えば･･･
『TRIGGERも一緒に食べるの？』
ポーンという音と同時にエレベーターが目的の階に着く。
3人で歩きながら、みっちゃんが口角を上げた。
「おう、誘ってるぜ。なんてったって、TRIGGERの前祝いだからな」
『前祝い･･･？』
「ミュージカルの賞のノミネート作品に選ばれてるらしくて。それだけでお祝いだけど、賞に選ばれた時すぐ祝ってやれる時間取れるか分かんねえだろ？全員揃うの中々なくなったし」
おお･･･
･･･ってあれ？
『ケーキって、それ用？そうちゃんが言いにくそうにしてたけど･･･』
そうちゃんを見ると、また気まずそうな表情。
なぜ。
「あはは！壮五、TRIGGERの事だけ言や良かったのに･･･」
「すみません･･･パニックになってしまって･･･」
「いいよいいよ。お、ここだ」
みっちゃんが目的の部屋のドアを開ける。
TRIGGERの前祝いなら、別に私には言ってくれても良かったんじゃないの？と首を傾げながら部屋に入った。
部屋には壁際に大きな冷蔵庫と、レンジと食器やカトラリーが置いてあるテーブルと、それぞれの鞄が置いてある机、それと大きなテーブルを囲むようにソファが置かれている。
そのソファには、既にZOOLの全員とそのマネージャーさん、いおりんにヤマさんにたまちゃん、紡と万、おじさんが座っていた。
「お疲れ〜、ミツ、結構買ってきたな」
「大和さんこそ飲みもんすげえ買ったな」
冷蔵庫を我が家のような顔で開けて、4人でしまった。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
