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「えぇ?だって顔合わせたくない人がいたんだよ?何?僕がストレスで店辞めちゃってもいいの?」

めっちゃ相変わらずだな、人に対するそういう態度。
顔合わせたくないのは多分私よね?

ちょっと意外。
“やぁやぁ!Aじゃないか!”って笑顔で絡んできそうなイメージなのに。

と思いながら見ていたら、月雲了の表情が強ばるのがわかった。

「Aさん、退いて下さい・・・」

やけに低いそうちゃんの声に、振り返って見上げるとー

『ひっ!?そっ!?ちょ!?(ひぇ!?そうちゃん!?ちょっと!?)』

一瞬でギョッとした。

『待って!?電子レンジ持ってこないで!?』

イートインスペースにあった電子レンジだ。
ご丁寧にコードを取ってきてる。

「お、お客様!?困ります!イートインスペースに戻して下さい!」

青ざめて叫んでる女の店員さん。
その陰に隠れてる月雲了。

そうちゃんが狙ってるのは確かに君だろうよ。
でも関係ない人の陰に隠れて巻き込まないで。
巻き込んでるのはそうちゃんにも言えるけど。

「ここで会ったが百年目・・・」
『経ってないよ!?百年!前世からの因縁じゃないでしょ!?』

私の日記帳からすれば前世からの因縁だろうけど!

「そういう意味じゃありません。僕の大事な人たちを散々・・・」
『頭の上に持ち上げたらダメだって!防犯カメラもあるし!皆の為になんないよ!?』

必死にそうちゃんを捕まえて引き止める。
皆の為に〜が効いたのか、そうちゃんは電子レンジを戻してコンセントに繋げた。

ホッとして肩の力が抜ける。
そうちゃんが戻ってきて、女の店員さんにペコリとお辞儀をした。

「お騒がせして申し訳ありませんでした」

私も揃ってお辞儀をする。

「今度改めてお伺いしますので、その際はそちらの月雲さんを・・・」
『はいはい、連絡しますね!了さん。それではー』

笑顔を張り付けて月雲了を見ながら、黒いオーラのそうちゃんを制してコンビニの外に連れ出した。

「連絡って、僕らは連絡先・・・」
『知らないけど、ZOOLの子たちなら分かるでしょ。仲介役にもなり得るし』
「僕は許す気ありません。Re:valeさんもTRIGGERさんも大きく痛手を負った原因があの人ですし」
『まあね〜』

スーパーの駐車場に向かって歩き出す。

『そうちゃんが怒ってくれた気持ちは嬉しかったよ、ありがとう』
「そんな。今度は証拠が残らないような場所でやりますね」
『言い方怖いから』

気持ちだけ貰っとく、と苦笑いした。

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作者名:miz | 作成日時:2021年7月3日 9時

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