61 （ブライダル雑誌） ページ11
ピンポーンと鳴ったインターホンの音で、まどろみながら目を開けた。
インターホンが鳴ったのは夢か現実か区別がつかなくてボーッとしてると、もう一度インターホンが鳴る。
間違いなく現実。
ドラマ撮影時は週1日あるかどうかの休みだったけど、撮影も打ち上げも終わったから今日は久々のお休みなのに。
毎日欠かさず志津雄さんとそうちゃんから出てたメニューこなしてたのも、今ではやらなくてもいいのに。
だからぐっすり寝てたのに。
心で文句言いつつも足はモニターへ行く。
モニターに映った人を見て、慌てて通話ボタンを押した。
『どうしたんですか！？』
「ちょっとお願いがあって･･･ラビチャで言うのもどうかと思って、来ちゃいました！」
画面に顔を出したその人は、可愛い笑顔で舌を出す。
瑠璃さんだ。
百から聞いたのかな？休みだとかここに住んでるのとか。
慌てつつもそんな冷静な考えが一瞬脳裏をよぎる。
『え、っと･･･その、今開けるので、うちの玄関まで来たら20･･･いや、10分！待っててくれますか！？』
「えっ！？ごめんなさい！じゃあどこかで時間つぶして20分後に来ますね！」
うわ、申し訳ない！
10分で大丈夫ですと伝えると、じゃあ10分後に来ると言ってくれた。
時計をやっと見て10時を過ぎてたんだという事実に驚く。
『うわ、顔！髪！服！ああああ、部屋ぁ！』
最近忙しくて掃除機かけてなかった！
バタバタしながら顔を洗ってスキンケアしながら寝室に移動。
着替えて髪をとくと掃除機。とりあえずリビングだけ。
掃除機かけてる途中にインターホンが鳴る。瑠璃さんだ。
15分たった頃に来てくれた。
瑠璃さんが、エントランスから11階のうちまで着く間に、掃除機を終えてお茶の用意をする。
部屋のインターホンが鳴ると、なんとか落ち着いて迎えることが出来た。
「･･･お邪魔します･･･」
若干緊張した面もちの瑠璃さん。
どうぞどうぞとスリッパを出す。
百と私はスリッパ履かないけど、お客さんが来た時とか千がいる時は必要だし置いてある。
リビングに通すと、瑠璃さんの表情がぱっと明るくなったように見えた。
『ごめんなさい、バタバタしちゃって』
「いやいや！私が急に来ちゃったから！ってゆーか、Aさんちにいるってだけで、めちゃくちゃ凄い！レア！！」
このハイテンション、さすが百のお姉さん。
昔から万のファンだけど、私に対してもファンのような気持ちを抱いてるのは知ってる。
私も緊張するんだが。
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作者名：miz | 作成日時：2021年7月3日 9時
